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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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音楽が良いだけじゃ感動できない・・・。

松田勇作の遺作「ブラック・レイン」で高倉健がマイケル・ダグラスに言った名セリフ「アメリカが優れているのは映画と音楽だけだ!」、その通りと当時思ったものだが・・・あれから何年経ってもアメリカは映画と音楽だけは憧れられる国である事は間違いない。この映画も邦題から察しできるように音楽モノの映画であり、劇中で流れる音楽はどれも素晴らしい。しかし映画とは恐ろしいモノでどんなに音楽が素晴らしくとも全く感動しない映画があるという事を教えてくれるのだ。

なぜ面白くない?答えは簡単だ、ストーリーが無いからである。音だけが良いのであればサントラだけを聴いていれば充分である。音楽のレベルが高ければ高いほど、それに見合うだけの人間ドラマが必要なのだが残念ながらこの作品の人間ドラマはペラッペラである。


<GOOD POINT>
1.ギターもピアノもパイプオルガンもおそらくプロのミュージシャンが演奏した音源を動きに合わせて入れているものと思われる。何度も言うがその音楽自体は素晴らしい、特にギターは昔の黒人っぽいサウンドで曲と言うよりもリフを重ねてグルーブ感を楽しんでいるような音楽だ。但し、アドリブで弾いているエヴァン(フレディ・ハイモア)の手に音が全くあっていないという悲しい事になっているのだが・・・。しかしフレディ・ハイモアは「チャーリーとチョコレート工場」を皮切りに「ライラ冒険 黄金の羅針盤」「スパイダー・ウィッグの謎」などなどファンタジーの申し子になりつつある、あの神秘的な感じがそうさせているのだろうが、あまりにもキャラが被りすぎである。余計なお世話だが、事務所の社長は演技の幅を拡げるために様々な役をさせた方がいいんじゃないか?と思った。


<BAD POINT>
1.脚本がダメダメなんだが、その理由として大きな点が二つ、一つ目がエヴァンの音楽能力が高すぎて観客が感情移入しにくいということが挙げられる。一切楽器も触った事が無い人間がギターを弾きまくり、音階の基礎を教えただけで(なぜか)複雑な音符までも譜面に書き入れてしまう・・・いっとくけどエヴァンは只の少年です。百歩譲ってこの能力を肯定するとしても、エヴァン自身がさほど魅力があるキャラクターではない。俺なら音楽の能力があるが、はな垂れでアホっぽいぐらいのキャラクターじゃないと納得できない。

2.そしてもう一つはエヴァンの父親・ルイス(ジョナサン=リス・マイヤー)と母親・ライラ(ケリー・ラッセル)のなれそめがグダグダ過ぎる。冒頭の大事な15分の殆どをこのグダグダを占める所にこの映画の命運が尽きているのだが、以上に長いオープニングテロップがイライラに拍車を掛けているのも見逃せない。ハッキリ行って二人の馴れ初め部分が全部カットしてセリフで説明した方が断然良い。あくまで主人公はフレディなのだ。あと久しぶりにロビン・ウィリアムスが出ているのだが、殆ど見いだすようなシーンが無いので割愛させていただく。

3.クライマックスの演奏会で三人が再会する所が「奇跡のシンフォニー」なんだろうが・・・こんな展開を許してもいいのだろうか?こういったご都合主義が最初から最後まで、しかもたっぷりと114分あるのだ。是非、サントラをオススメしたい。
(IE5)

奇跡のシンフォニー - goo 映画


予告編に騙された一人です。
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国が違えば子供の出産はここまで描き方が変わってしまう!


アカデミー賞、最優秀脚本賞を受賞した作品。アメリカでは当初7館だけの上映だったが口コミから上映館が拡大、遂にアカデミー賞の追い風を受けて全世界にJUNO旋風が吹き荒れた珍しい映画である。今年の脚本賞ノミネートは「フィクサー」「レミーのおいしいレストラン」あと日本未公開が2本であったが、「フィクサー」しか観ていないのでなんともいえない、とにかくここにノミネートされる時点で星の数ほどある世界中の脚本のなかでもトップレベルの称号を得ることは間違いないだろう。このジュノも「子供の妊娠」という非常に暗いテーマになりがちな題材を非常にポップにそして出産するという女性の永遠のテーマを軽んじることなく描ききっている。

同じ題材として日本でもドラマ「14歳の母」がヒットしたことが記憶に新しいが、アプローチの仕方次第でここまで物語って変わるんだなぁと改めて感じた。どちらが優れているという事ではないが、少なくとも日本ではジュノのような脚本を書ける人はいないと思われる。これは親子や生活環境における文化の違いが根っこにあると思う。やはりアメリカ人は良くも悪くも大胆に全てをさらけ出し、悩みと喜びを分かち合う人種であり、日本人は逆に悪いことや臭いものには蓋をしてできるだけ最小限に情報を制限してしまう傾向になるのである。そしてその事実が発覚すると、さも親の首を取ったかのように騒ぎ出し、見つかった方はこれ以上生きてても仕方がないという程に追い込まれてしまうのである。これじゃ、どっちがいいの?と問われば答えは火を見るより明らかだろう。

<GOOD POINT>
1,とにかくセリフのセンスとテンポの良さが素晴らしい。英語で実際の意味は分からないが、ジュノ(エレン・ペイジ)の1発目のセリフは殆どがまともな会話ではない。最初、ジョークで始まり(あるいは受け答えたり)しながら3回目のキャッチボールくらいでまともな会話に入っていく、この時の会話の内容はいたって真面目なやりとりなのだが最初にジョークで悪態をついているためにジュノのいかにも16歳の現役ハイスクールキャラクターがぶれていない。ジュノの親も彼氏も友達も妊娠した事をせめる人間は一人も無く、どうやってその環境を受け入れて歩んでいこうか共に考え行動していく所もアメリカならでは、でも日本を舞台にしてこういったライトな感じを出せると新たなタイプの恋愛映画ができるハズである。

2.妊娠したお腹はどうやって撮影しているんだろう?まぁ特殊造形担当(?)さんが妊娠したお腹を作っているんだろうが本物にしか見えない。ジェルを塗って超音波をあてるシーンなんかリアルだし、シャツの上からも分かるデベソ状態も細かい演出でGOOD!しかし女性は大変だ。子供が生まれると女は母親として子供にかかり切りになり父親は疎外感が高まるというのも頷ける。子供が誕生したときのジュノの表情は正しく母親だった。子供にとって母親に年齢は関係なく、母親にとってどんな状況で生んだとしても愛すべき生命体なのである。


<BAD POINT>
1,別に悪口でもないんだが、この映画の宣伝に使われている「低予算映画ながら大ヒット」の低予算。実はこの映画の製作費は10億円・・・日本映画でいえばそこそこの大作である。ハリウッドでは確かに低予算なのかもしれないが、立派にクレーンカメラも使っているし演技派の役者を揃えている。別にひがみで言ってる訳ではないですが・・・羨ましいのは確かです。
(IE5)

JUNO/ジュノ - goo 映画

こりゃ女性が興味をそそるのも頷ける。
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久々に直球ど真ん中のB級映画が登場!

毎日ビフテキも良いがたまに何も考えずにお茶漬けを食べてみたい。そんな気分の時は迷わずB級アクション映画がオススメだ。とにかく個人的にはB級映画の条件として、ストーリーなんかあって無いようなもので、のっけからラストまでとにかく剣で切りまくったり、銃を撃ちまくって敵をバッタバッタ倒して、お約束のお色気シーンを織り交ぜながらあっという間に終わってしまうというものである。次の日には殆ど記憶に残っていないのも条件の一つ(?)なのかもしれないが・・・。

<GOOD POINT>
1.そんな条件を見事に満たしてくれるのがこの作品、始まってから約1分でドンパチが始まり、あの手この手で迫り来る時を蹴散らしてゆく。ちゃんとした映画なら主演のスミス(クライヴ・オーウェン)が少なくても10回ぐらい死んでいるハズだが、死にそうになるとなぜか敵=特にボス(ポール・ジアマッティ)の弾が切れたり、「命乞いをしろ」と余裕を見せられ逃げる時間を頂けてしまうのである。お色気担当は「マレーナ」で思春期の少年を翻弄したモニカ・ベルッチ、いつの間にB級映画界に進出していたのか知らないが見事なハマリ役で思わぬ拾いものだった。

2.小道具(!)として赤ん坊がいるのだが。精巧なロボットと本物の赤ちゃんを巧に使い分けてアクションの効果を数段高めることに成功している。しかし最近のロボット技術は凄いね、途中まで全然分からなかった。


<BAD POINT>
1.まぁこんな映画にリアリティを求める方が間違いなんだが、どう考えてもにんじんで人の頭は貫けないと思うぞ!これが一人目の殺人で使われている事によって「この映画は全て冗談です」と宣言しているようなものだ。後半もこの手法でまた殺しているので、ヤレヤレという感じだった。
(IE5)

シューテム・アップ - goo 映画


英語でも中身は全然分かる
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白黒つけるアメリカの恋愛には灰色って無いのか?


「プラダを着た悪魔」の脚本化(アライン・ブロッシュ・マッケンナ)が服にまつわる物語として今作も担当、デザイナーなども同作のスタッフが担っているだけ合ってセンスが良い。アメリカの恋愛映画は星の数ほど作られているが、日本映画と比べて大きく違うのは、セリフのセンスの良さと恋の行方に白黒ハッキリつけるという点。あなたが好きだけど私の心で忍びます・・・というようなシチュエーションは殆ど見られない。好きなの?嫌いなの?ハッキリして!という感覚が国民性に合っているようで、映画としてみてもポップで分かりやすい・・・逆に言えば軽すぎるのかもしれないが。勿論、重厚な恋愛映画も多々ある事は追記しておくが、どちらかというと恋愛映画はポップな方が楽しめる!こういうエッセンスを日本映画でも取り入れていくと面白いものができるに違いない。

アメリカの結婚式ではブライド・メイド(花嫁付添人)と呼ばれる結婚式にまつわるありとあらゆる世話を手伝うというポジションがあり、それは大の親友がするものらしい。その知識さえ序盤で披露ことができたらこの映画は楽しめるだろう。色んなタイプの結婚式会場や演出など結婚の予定がなくても楽しめるし、ましてや結婚を夢見る人なら一層興味深いだろう。

<GOOD POINT>
1.まず主人公の設定が上手い。自らもブライダル関係の仕事に就きつつ、ブライド・メイドに生き甲斐を感じる結婚適齢期を逃しつつある女性・ジェーン(キャサリン・ハイグル)、いつも他人の幸せを祝うことを自分の幸せと無理矢理信じ込んでいる所に哀しさがある実にユニークなキャラクターである。更に密かに想いを寄せている上司・ジョージ(エドワード・バーンズ)をジェーンと対照的に自由奔放に生きてきた妹・テス(マリン・アッカーマン)にアッサリと奪われてしまう構成は分かりやすいけど良く練られている。やっぱりコメディーの主人公はネクラよりネアカが良いというセオリーはここでもしっかし守られていた。あとジェーンの女友達(ジュディ・グリア)の時に優しく時に厳しいという存在が映画に大きく貢献していることも付け加えておきたい。

2.タイトルでもある、27着のドレス。この使い方も非常に効果的だった。ドレス自体に全く罪は無いのだが、これが脚本次第で悪(新聞掲載)になったり奇跡(ラストの結婚式)になったりするのである。感心したのはやはりラストの結婚式での使い方、その前にゴミ袋に押し込めていたというシーンを見事に裏切ってくれたナイスなアイデアだった。そしてドレスのデザインも素晴らしく、わざと格好悪くみせているドレスもセンスの良さをチラリと見せている。そして結婚式という幸せしか生まれないシチュエーションではどんなドレスも輝いて見えるということを暗に示していると感じた。

3.ジェーンとジョージがキスをして愛を確かめるシーン。これは賛否あるかもしれないが、アメリカってやっぱり白黒つけたがるんだなと思って面白かった。まぁコメディだから成立しているのかもしれないが、ドロドロ別れるよりも数倍良いシーンに思える。こういったのを日本でやったら「ありえない!」ってなるんやろけど。


<BAD POINT>
1.核となる肝心のジェーンとケビン(ジェームズ・マッデン)が恋愛を成立させるまでの過程がまどろっこしい、特に前半にジェーンとその周辺の紹介に時間を割きすぎた為にケビンの登場が遅すぎた感が否めない。恋が成立したあとに新聞掲載事件で恋が決裂というアイデアも良く、せっかくケビンも面白い設定で作られていたのに、なんかハッピーエンドになるまでが簡単すぎた印象で残念だ。
(IE5)

幸せになるための27のドレス - goo 映画


この予告編だけでポップな感じが伝わるハズ。
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松竹映画シリーズを担う作品として上々な船出

松竹は「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の映画シリーズ路線を引き継ぐべく次の題材として選んだのがこの作品。かつて「虹をつかむ男」もシリーズ化をしようとしたハズだが記憶が曖昧・・・とりあえず2作品で終わっている、松竹としては「釣りバカ」の主役級が年齢的にも高くなってきたために早く次の原石を探していたことだろう。それだけにこのグルメ漫画「築地魚河岸三代目」を選んだ裏には相当な決断があったと思われる。

そういった裏の事はさておいて、映画の方はスタッフと製作者の作品にかける意気込みが伝わる非常に丁寧な作りになっている。松竹伝統の人情ドラマを起点としているのだが、そのままやっていたのではこれからのシリーズ化に期待する若い新たな観客を期待できない。そこでキャストを思いきって若手中心(荒川良々、江口のりこ、これが絶妙なバランス)にもってきたことが成功している一つの要因だろう。同じ脚本でも平均年齢があと5歳くらい上だったら全く違った印象になっていたに違いない。

「男はつらいよ」の渥美清も「釣りバカ日誌」の西田敏行も相当な実力の俳優だ、そういう意味では主役の大手サラリーマン・旬太郎役を務める大沢たかおは結構プレッシャーがあるのではないだろうか?まぁユニークなキャラでは大先輩に勝つことはほぼ不可能であるので、違った魅力を探っていく必要はあるだろう。個人的には「無鉄砲な誠実アンちゃん」というキャラにその可能性があるとおもうのだが。

<GOOD POINT>
1.サラリーマンの旬太郎が恋人・明日香(田中麗奈)の家業が築地の魚河岸である事を知ったことから、最終的に三代目としての修行のスタートラインに立つまでを1作目では描いている。つまり、魚河岸としてのシーンは殆ど脇が固めており、第1作目に関しては自分の将来に疑問を持つ主人公の心の葛藤と築地で働くクセのある人物を上手く紹介しつつドラマの基盤を作っている印象がある。これは「男はつらいよ」の第1作目とほぼ同じ見せ方だと思う、たしかさくらとひろしが結婚するしないでもめながら寅さんや周辺の主要人物上手く紹介していた。これだけしっかりと描いていれば、二作目以降の物語も色々と拡げることができるというものだ。

2.「男はつらいよ」ではマドンナとの恋愛がお約束だが、この作品ではおそらく恋愛よりもケンカがお約束になるのではないだろうか?まぁ血みどろのケンカはありえないので、殆ど口ゲンカか一発殴るかぐらいのもんだろうが・・・しかし、最近ではこういったオーソドックスな争いも殆ど見ることがないが見ていてすがすがしい。陰険でイジメ的な争いが多いので逆に新鮮に映るのである、これも松竹映画だからこそ成立するんだろう。やっぱりお家芸というのは馬鹿にできない。

<BAD POINT>
1.間口を広くしようとして分かりやすく丁寧にという事は評価できるのだが。何もテレビ的にしなくてもと思うような手法が時々見られた。特に近距離なのに画面を二分割にするというのはやめて欲しい。テレビでは無く最後まで映画というものを感じさせて欲しいのである。

ちなみに次作は来年に公開決定だそうです。
(IE5)

築地魚河岸三代目 - goo 映画

予告だけでは良さが伝わらないかもしれないが。
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