忍者ブログ
乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1215345103  92点

全ての要素が高レベルでぶつかる濃密な映画

監督・脚本を務めたポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」や「父親たちの星条旗」の脚本家でもあり現ハリウッドで相当に力のあるイーストウッドの後押しもあって今作の映画化にこぎつる事に成功したらしい。鑑賞した上で想像すると、おそらく脚本を読んだ時点では相当地味な印象なのかもしれない、しかしこれを映画化できたことはハリウッドにとっても良い誤算だったに違いない。現在のハリウッドは日本と同じくオリジナル企画の数が無く、リメイクやアメコミや漫画などの原作ものに頼らざるを得ない状況が続いているが、やはり力のある者が作った作品はレベルの違いが一目瞭然である。

しかしながら人間ドラマを重視する映画というのは、それほどヒットが難しいのだろうか?「花より団子 ファイナル」が早くも「インディジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を抜くみたいな事を言っていたが、どう考えても観客の低年齢化が進んでいると思われる。「告発のとき」のような映画がアンテナに引っかからないであろう今の十代の若者達が将来的にもアンテナが伸びないまま映画を離れていく様な気がして堪らないのだが・・・これって映画ファンにとっては結構危険と思うのだがファン以外の人にはどうでもいい事なんだろうなとも思う。


<GOOD POINT>
1.脚本、演出、役者、画、どれをとってもレベルが高い。特に脚本は素晴らしく、今のアメリカ社会に潜む闇のテーマを上手く料理している。しかもそれを押しつけがましくさせない工夫として、三人の息子全員が出征している退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)と妻(スーザン・サランドン)一家が抱える問題や地元警察として働く一児の母・サンダース刑事(シャーリーズ・セロン)が抱える仕事と家庭の葛藤などが絶妙なバランスで盛り込まれている。ポール・ハギスは「007 カジノロワイヤル」も脚本しているのでアクションも描けるのだが、この映画では控えめに上手くそれを利用しているのもミソ、実にすばらしい。

2.まぁ今更ながらトミー・リー・ジョーンズの演技を褒めるまでもないが、今回も実に素晴らしい。「ノー・カントリー」も良かったが出演シーンはそれほど無かったのでむしろこの作品の方がファンとしては楽しめるだろう。しかしシャーリーズ・セロンもあれだけ美人で演技が上手いとなる所にハリウッドのレベルの高さがあると思う。あっちはただ顔が良いだけじゃ全く通用しないんだろなぁ。あとバーでトップレスになるマダムも素晴らしい、あの年齢(おそらく60前後)でトップレスになること意味が映画の中であることを知っているのである。あの垂れかけた乳とジーパンからはみ出た脇腹、そしてシワシワの手・・・向こうの役者って絶対に役になりきっていると思う、じゃないとこんな演技できないハズだ。更にこの後の喫茶店では服を着たマダムとハンクが再会するシーンがあってちゃんと芝居所をあたえている所が好感がもてた。

3.イラクの状況をつたえる携帯カメラの映像、これってどうやって撮ってるんだろうか?本当に携帯で撮った映像を処理しているのかとも考えたが・・・それは結構リスキーだろうとも思えるし。35mmのフィルムで撮るには難しいだろうし、ビデオカメラにしても荒れすぎているし・・・。とにかく良く出来ているのである。ダウンロードでちょっとづつ見せていくアイデアは良くもあり悪くもあるのだが。


<BAD POINT>
1.そのダウンロードのアイデア自体は良い発想と思うのだが、どうしてもそれに頼ることで物語の謎を解決する事になってしまっているシーンが幾つかあったことにご都合的な要素を少なからず感じてしまった。まぁ使って効果があるのは、1回だけなんだろうな・・・。
(IE5)

告発のとき - goo 映画

予告編も重厚です。

PR
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1214490078  82点

スピルバーグの職人技は更に磨きが掛かっている

シリーズとしては19年ぶりの新作・・・と一言で片付けるには長すぎる年月だ。まだまだガキんちょだった俺は当時、「レイダース 失われたアーク」はあまり面白いと感じずに「魔宮の伝説」をひたすら繰り返して見ていた記憶がある。そんで「最後の聖戦」は劇場で観たようなビデオで観たような・・・記憶が曖昧であるのだが余り記憶に残っていない。しかしながら当時少年だった俺にとって冒険活劇として大きな興奮を与えた作品であることは間違いない。

そんな感じだったので19年振りに新作が出ですぐに観に行くことを躊躇してしまった。もしあの頃の無垢な少年の感動が現在の汚れきった心では全く味わえないのではないか?と一抹の不安を抱いていたのだ。しかしながらその心配は希有に終わった、確かに歳は重ねたが(なんと65歳!)あの時のインディが目の前に現れているではないか、そしてワクワクさせてくれるテーマ音楽に乗ってエンドロールを眺めている時間は確かに至福の時だった。ハッキリいってもう汚れきった俺にはファンタジーとかヒーローもので主人公が絶対に死なないと分かっている映画は面白く無い傾向にあるのだが、インディだけは別だった。これは幼き日に心に刻んだ何かが今も残っているからだろう。

<GOOD POINT>
1.ハリソン・フォードに拍手。エンドロールで山ほどのスタントマンが名を連ねていたの事に気付いただろうか?そう、ハリソンの影武者が山ほどこの映画に使われている、あまりに数が多いので笑ってしまったが、映画を観ている時に一度も「これはスタントだな」って思わなかったのが凄い。これは勿論スピルバーグの神業でもあるのだが、やはりハリソン・フォードの巧さとカリスマ性があって成立していると思う。スタントの方もインディの為ならと張り切って危険な芝居に挑んだ事と思われる。インディ・ジョーンズとハン・ソロ、他にも数々の記憶に残る人物を演じたハリウッド最大のスターはあとどのくらい輝いてくれるのだろうか。

2.今回の作品を観て「キレは落ちたが腕でカバー」と感じた、脚本の出来は前半の60分が面白かったがバイクのシーンが終わった辺りからトーンが少し落ちてきて全体的には60点くらいかなと。しかしながらそのバイクで逃げる所やカーチェイスなどは本当に観ていて面白い!ハッキリいってどうやって撮影しているのか全く分からないカットが満載である。おそらくCGなんだろうが、腑に落ちない所がたくさんあるのである。核実験のシーンでも吹っ飛ばされた冷蔵庫がゴロンゴロンと転がって中からインディが出て来るまで1カットで繋がれている・・・まさかハリソン君を入れたまま吹っ飛ばす訳にもいくまい。まさにスピルバーグの演出力と世界最先端のルーカス工房全面バックアップからなる現時点で最高峰の映画技術を観ることができた。スピルバーグとルーカスが組むということは、もしかしたらこれが最後なのかもしれないと思うと実に寂しくなるのである。

<BAD POINT>
1.やはりキレが落ちていると感じるのは、随所でご都合主義的に危険を回避してしまったり謎が解けてしまったりする所だ。滝で落ちる所も普通なら死ぬ、しかも3回死んでいる事になるのだが・・・これで生きてるのなら「魔宮の伝説」で吊り橋から落ちても全然平気だったんじゃないだろか?とファンも思ったことだろう。クライマックスはどう見ても「未知との遭遇」だし。こういった感じで進んでいくところが結構あった事が、全体的なまとまりを欠いている要因だと思われる。昔のスピルバーグならキレにキレて口を挟む余地を一切与えない撮り方をしてたんだけどな〜。

まぁ・・・でもインディがスピルバーグとルーカスとハリソン君で復活できた事はとても素晴らしいことだと思う。長生きしてください。
(IE5)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 - goo 映画
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1214058323   5点

なぜこんな映画を作ったのかが分からない

宣伝文句は「この映画はリメイクではありません、カバーです」ということで、清水宏監督の「按摩と女」(1938年)をセリフは勿論、画面構成、人物の動き、全てを同じにして撮影した映画である。俺は「按摩と女」を観ていないのだが、ハッキリ言わせてもらおう「全部同じ・・・だから何なの?なんでこんな映画の為に多くの金と労力を費やさないといけないんだろうか?」・・・と。大体カバーってなんやねん!こんな創作意欲のない作品は近年見たことが無い、名作だから出来るだけいじらずに現代の俳優で再現したかった、だからカバーってことだろうが・・・新たな用語を作ってごまかさないでくれと言いたい。音楽でいえばカバーとは、その曲とミュージシャンに対して敬意を払いながらも、己のフィルターを通して歌うことにまた違ったカラーが出て時には名曲がうまれるのである。しかしこの映画に関しては、全くその要素は無いと思われる、ハッキリ言うがこれはカバーではなく単なるコピーである。

製作はフジテレビであるが、ご多分に漏れず自らの放映網をふんだんに利用して宣伝していたが、ハッキリ言ってこんな駄作をいかにも「面白いです、最高です」と放送する側に良心の呵責はないのだろうか?もうテレビ映画は相当ヤバイ所に来ている、ハッキリ言って映画ファンはフジテレビの文字を見るだけで避けてしまう人がかなり増えている。まぁ映画を愛する気持ちが足りないスタッフが作った結果なので当然と言えば当然なのだが。ちなみにこの映画の入場料は全国一律1000円である、表向きは「心の入浴料」というキャッチコピーで実験的な興業と謳っているのだが、少し裏読みをすればこれは完成の時点で製作サイドが既に白旗を揚げた苦肉の策だということは間違いないだろう。俺は金券ショップでさらに割り引いた800円のチケットで鑑賞したが、それでも「金返せ!」と言いたくなった。


<GOOD POINT>
1.女学生の5人が青年学生とすれ違うシーンのやりとり。現代の若い女の子でも「清楚で可憐な女学生」というものが成立するんだなと感じた。久しぶりに野村佑香がまだあどけなさがあって好感が持てた。

2.街のセットはミニチュアの合成だったが、これは実に上手く嵌っていた。CGだとテカってペラペラになってしまうのだが、こういう所は金がかかってもこういう手法でやって欲しい。

<BAD POINT>
1.脚本がもう古すぎる。この物語を現代でそのまま遣ることが退屈さを免れない事を石井監督は分からなかったのだろうか?94分の短い作品ながら、軽く120分以上の長さを感じた。それに同じシチュエーションを使うシーンが多すぎる・・・特に橋の上、10回ぐらいは使われたと思うのだが、ただでさえ起伏がない展開で同じシチュエーションなのだから、退屈さは倍増されていくだけである。とにかくここに最大の怒りを感じたことは間違いない。

この作品に対して、もうこれ以上書くこともないだろう。
(IE5)

山のあなた 徳市の恋 - goo 映画

crystal.jpg嬉しさ半分、哀しさ半分
ネタバレ注意!
1957年という時代を背景に水晶の骸骨「クリスタルスカル」の謎を追うことになる考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)。ソ連のKGB要員イリーナ(ケイト・ブランシェット)達に追われつつ、物語はやがてクリスタルスカルの遺跡に向かうが……。19年ぶりに復活したインディシリーズ、果たしてその出来は? 今回はシリーズファンの俺とこの4が最初のインディという友人と二人で観た。

シリーズファンの場合
俺が「映画が面白い」と最初に感じた作品はインディジョーンズ魔宮の伝説(2作目)だった気がする。映画に目覚めつつあった小学生の俺はこの映画に決定的なインパクトを受けた。とにかく、全編ダレるところが全くない。「これだ、これが娯楽映画だ!」と感じた鮮明な記憶が残っている。俺にとってはそれ程のシリーズの最新作である。冒頭のノーテンキな音楽から、秘密の倉庫への流れは本当にワクワクした。その後の脱出シーンまでは、激しいアクション&時々笑えるという内容に「まだまだ盛り上がるぞ」と、期待は高まったのだ。

流れが悪い
ところが、微妙に違うのである。個々のアクションシーンはそこそこ良く出来ているのだが、タイミングが悪いというか、その間のドラマパートと上手くつながらないのである。また、アクションシーンも古代の謎を追及するシーンも両方とも全く新鮮味がない。シリーズ4作目で何を言うかと思うかもしれないが、インディシリーズは驚きと興奮が売りだったはず。それがすっかり、予定調和のアクションになってしまっていた。そうなると老いたハリソンのトホホギャグも何だか弛緩して見える訳で、鑑賞後「まあ、こんなもの」というおよそインディには似つかわしくない哀しい気分になってしまった。

シリーズ初見の場合
友人Sはこの映画が最初のインディというツワモノだ。鑑賞後の一言は「物語が良く分からなかったんですが」「これまでのシリーズに無いものは無かったんじゃないですか」「緊張感が全く無いですね」という否定的なものだった。残念だが、それは本当だ。字幕の悪さで人物の関係や流れが悪く、アクションは同じパターンの繰り返し、同窓会的な緩い雰囲気……シリーズ思い入れが無ければ、そう見えるかも知れない。ただ、最初の爆発から脱出までの部分は面白かったということだ。確かに、そのシーンは俺もいいと思うが、最初が最も盛り上がるというのはどうなのか。

もうこの落ちは禁止だ! 物語の結末を書いてます。注意!
この作品の結末は、たぶん最初のシークエンスが終わった時点で誰もが予想がつくだろう。俺も「何かもう一ひねりあるだろう」と期待していたのだが、結局はベタベタの宇宙人ネタだった。よく分からないのだが、アメリカ人はこの落ちに納得できるのか? 日本人なら失笑必至のいつものデザインに脱力した。核爆弾ネタも娯楽作品でよく見るが、面白いとは思いつつ、日本人としてはやはり無神経に感じるわけで、これもスッキリしない。結局、許容できる範囲ではあるが、そこそこの出来としか思えない。最新作が観れたのは素直に嬉しいが「嬉しさも中くらいなりインディ4」、実に微妙で複雑な気持ちで映画館を後にした。

評価点:65点
仕方ないとはいえ、カレン・アレンは老けたなぁ。息子も狙いすぎのキャラ設定ではないか。ケイト・ブランシェットは個人的には好きだが、敵役としてはイマイチ怖くない。超能力の設定も生きてない。ファンは観てもいいと思うが、それ以外の人には強く薦められない。

abyss.jpgこれは大盛り幕の中弁当だ
時は米ソ冷戦時代。核弾頭を搭載したアメリカの原子力潜水艦が突如沈没、その原因を探る為に軍関係者とたまたま近くにいた民間の石油採掘会社のクルーが派遣された。しかし、嵐の海で海底基地は分断され、極限状態に陥る。そんな彼らに近づく正体不明の生物の影があった。果たして彼らは無事生還できるのか。古い映画だが、キャメロン監督作品で唯一、きちんと観ていなかったので再鑑賞。3時間に迫る大ボリュームだ!

完全版と劇場版
まず最初に書いておかなければならないのは、アビスは最初の劇場公開版と大きく違うということだ。今回調べてみて分かったが、完全版の方は30分長い。しかも、ロードオブザリングのようにファン向けの映像が追加されたのではなく、映画の核心部分のエンディングの仕様が大きく異なる。今回観たのは「完全版」で、確かに資料を見る限り、完全版の追加シーンを削ると印象が大きくぼやけるだろう。当時、テレビで見た記憶があるが、はっきり覚えていないのはそのせいかも知れない。

何もかもてんこ盛り
約3時間もあると冒頭に書いたが、その時間をフルに使ってアクション、ドラマ、パニック、SFなど色んなジャンルが展開される。普通、これだけやると各クオリティが落ちるが、それぞれの要素がかなり丁寧に作られている。ドラマ部分も主演のエド・ハリスとメアリー・エリザベス・マストラントニオの夫婦愛を軸に展開するが、脇役も魅力的だ。アクションはもちろん、得意中の得意だけあってさすがに面白い(少々パターン化するが)。CGも当時の年代を比べると驚異的な出来だが、むしろ円熟期にある特撮技術が凄い。

なぜか地味な印象
ところが、世界大戦やエイリアンまで持ち出して、かなり派手に展開するのだが、全体の印象はいたって地味である。基本的に海底基地という閉鎖空間で展開するので、緊張感はあるがスケール感が薄いのかも知れない。同じ閉鎖空間であってもエイリアン2では地味な印象は受けなかったので、色々詰め込みすぎたせいか。アクションか海底ホラーか人間ドラマか、どれか一つに大きく舵を切った方が印象がはっきりしたのだろう。巨大な力を持つキャメロン監督が、力の入れ方が分からず苦悩したような印象がある。

細かいエピソードに味が
誰でも印象に残ると思うが、この映画の一番のシーンは、実は指輪のシーンなのである。夫婦喧嘩からヤケクソになった船長が大事な指輪をトイレに捨てる、すぐに後悔して手を突っ込んで拾う、そのおかげで命拾いというシーンが実に映画らしいいいシーンなのである。ターミネーター2でも何でもないやり取りに味があった。エイリアン2もビショップとのやり取りが印象的に残る。この「何でもないシーンが心に残る」所が、キャメロン監督の真の実力かもしれない。詰め込みすぎて印象はぼやけてしまっているが、そういう面白さは随所にあるので、アクションファンにはお薦めできる一本だ。個人的には娯楽作品の9割バッターとして、改めて尊敬してしまった。

評価点:78点
因みに、打率を下げた唯一の空振りは「トゥルー・ライズ」。今観れば再評価できるのかもしれないが、当時はビックリするぐらいつまらなく感じた。しかし、最新作の「アバター」はいつ公開されるのか。

カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新トラックバック
プロフィール
HN:
TEAM OKKOTO
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
最新コメント
[08/03 きうら]
[07/24 IE5]
[07/19 きうら]
[07/04 IE5]
[06/30 きうら]
忍者ブログ [PR]