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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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abyss.jpgこれは大盛り幕の中弁当だ
時は米ソ冷戦時代。核弾頭を搭載したアメリカの原子力潜水艦が突如沈没、その原因を探る為に軍関係者とたまたま近くにいた民間の石油採掘会社のクルーが派遣された。しかし、嵐の海で海底基地は分断され、極限状態に陥る。そんな彼らに近づく正体不明の生物の影があった。果たして彼らは無事生還できるのか。古い映画だが、キャメロン監督作品で唯一、きちんと観ていなかったので再鑑賞。3時間に迫る大ボリュームだ!

完全版と劇場版
まず最初に書いておかなければならないのは、アビスは最初の劇場公開版と大きく違うということだ。今回調べてみて分かったが、完全版の方は30分長い。しかも、ロードオブザリングのようにファン向けの映像が追加されたのではなく、映画の核心部分のエンディングの仕様が大きく異なる。今回観たのは「完全版」で、確かに資料を見る限り、完全版の追加シーンを削ると印象が大きくぼやけるだろう。当時、テレビで見た記憶があるが、はっきり覚えていないのはそのせいかも知れない。

何もかもてんこ盛り
約3時間もあると冒頭に書いたが、その時間をフルに使ってアクション、ドラマ、パニック、SFなど色んなジャンルが展開される。普通、これだけやると各クオリティが落ちるが、それぞれの要素がかなり丁寧に作られている。ドラマ部分も主演のエド・ハリスとメアリー・エリザベス・マストラントニオの夫婦愛を軸に展開するが、脇役も魅力的だ。アクションはもちろん、得意中の得意だけあってさすがに面白い(少々パターン化するが)。CGも当時の年代を比べると驚異的な出来だが、むしろ円熟期にある特撮技術が凄い。

なぜか地味な印象
ところが、世界大戦やエイリアンまで持ち出して、かなり派手に展開するのだが、全体の印象はいたって地味である。基本的に海底基地という閉鎖空間で展開するので、緊張感はあるがスケール感が薄いのかも知れない。同じ閉鎖空間であってもエイリアン2では地味な印象は受けなかったので、色々詰め込みすぎたせいか。アクションか海底ホラーか人間ドラマか、どれか一つに大きく舵を切った方が印象がはっきりしたのだろう。巨大な力を持つキャメロン監督が、力の入れ方が分からず苦悩したような印象がある。

細かいエピソードに味が
誰でも印象に残ると思うが、この映画の一番のシーンは、実は指輪のシーンなのである。夫婦喧嘩からヤケクソになった船長が大事な指輪をトイレに捨てる、すぐに後悔して手を突っ込んで拾う、そのおかげで命拾いというシーンが実に映画らしいいいシーンなのである。ターミネーター2でも何でもないやり取りに味があった。エイリアン2もビショップとのやり取りが印象的に残る。この「何でもないシーンが心に残る」所が、キャメロン監督の真の実力かもしれない。詰め込みすぎて印象はぼやけてしまっているが、そういう面白さは随所にあるので、アクションファンにはお薦めできる一本だ。個人的には娯楽作品の9割バッターとして、改めて尊敬してしまった。

評価点:78点
因みに、打率を下げた唯一の空振りは「トゥルー・ライズ」。今観れば再評価できるのかもしれないが、当時はビックリするぐらいつまらなく感じた。しかし、最新作の「アバター」はいつ公開されるのか。

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