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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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guin126.jpg合掌、そして

2009年5月26日にグイン・サーガの著者、栗本薫氏が永眠された。高校時代からそのグインサーガを読み始めて早17年になろうとしている。現在の最新刊は126巻、ご存知の通り、未完で終わってしまったのである。

連載は1979年にスタートしているので、リアルタイムに読み始めた人は既に30年……そこまでのお付き合いはないのだが、17年間買い続けているシリーズというのもこれだけだったので、思うところはかなりある。また、有名な作家で唯一直接お会いしてサインをもらった人でもある。

正直に言って、最近のグイン・サーガは惰性の産物であったと思う。もし、何の予備知識もなく最新刊を読んだ読者からすれば「何だこれ?」というレベルである。文章は(初期と比べ)砕けに砕け、物語は遅々として進まず、登場人物は愚痴ばかりこぼしている。はっとするシーンもごく稀にあるが、その程度は100グラムの砂の中に1グラムだけ砂金が混じっている感覚だ。いや、1000グラムかもしれない。

もちろん、最初からそうだった訳ではない。最初の17巻は、感動必至の堂々たるファンタジーである。その濃密な光と闇の世界に心奪われたものだった。その後、50巻くらいまでは楽しめる展開もあったし、「まあ、その内滅茶苦茶面白くなるぞ」という期待で読み進めた。そして、50巻を過ぎ、100巻を過ぎ、諦めで塗りつぶされた。作者の自画自賛、同性愛的展開、脇にそれすぎるストーリー、砕けた文章……あの輝きが戻ってくることはなかった。

では、なぜ、読み続けたのだろう。それは多分、そこに、変わらない何かがあったからだ。いつ読んでも、そこでは常に物語が流れている。苦しい時も、楽しい時も、常にそこにはひとつの世界があった。例えそれがくだらなく思えても、終わらない世界で、時折古い友達と話していたような感じだろうか。その場所が突然消えてしまった。当面は無くなることがないと思っていた僕たち全ての憩いの場はもう無い。

マスコミによると130巻途中で絶筆ということなので、後3巻は必ず出るはずである。話としては漸く、漸く本筋が面白くなる「気配」が、「何となく」漂ってきたところだったのだ。しかし、熱心な読者なら、作者が最後まで物語のプロットを考えていたことも知っている。海外では、別人が続きを書くこともあるのだ。
そこで、愛憎入り混じった気持ちで本音を言えばこうなる。

「どうせ、最近はグダグダだったんだから、とにかく、誰でもいいから最後まで書いてくれ!」
ある種のグイン・サーガ読者(同志)には、多分分かってもらえると思う。

何はともあれ、心からご冥福をお祈りいたしします。
(KIURA)

追記:合計24巻出ている「魔界水滸伝」(全部読んでる)も、もちろん投げっぱなしです。
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ちょいと
バタバタが長すぎてチェックも久しぶり。いやいや、この物語の最新刊をこの間、本屋で読んだのだが全く意味が分からん。まぁそりゃそうなのだが、しかし一巻から人生を共にしてきた読者としては完結してほしいと願うのは当然である。そういう意味では「はじめの一歩」だけは完結して欲しいと願う物語No.1である。
IE5 2009/06/25(Thu)16:59:29 編集
意味不明
最新刊の内容を理解しようと思うと、100巻くらいは読んでないと真の面白さ(あるいはくだらなさ)は味わえない。「一歩」は最新刊を読んで、これからどこへ行くのかと思う。本当に二人はやらないのかなぁ。
きうら 2009/06/30(Tue)23:49:34 編集
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