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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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観る人の環境や境遇に左右される映画かな

「ハッシュ」以来、6年ぶりの新作に挑んだ橋口亮輔監督、相変わらず脚本・監督・編集を全て兼ねているがテイストはかなり変わったと感じた。公開当初からかなり評判が高い作品だったのと連日満員だったのでこの日まで鑑賞が伸びてしまったが、それでも3分の2の席が埋まっているという人気振り。しかも年齢層が幅広い、この手の単館系映画がじんわりと浸透している良い傾向だ。

<GOOD POINT>
1.橋口監督は自ら鬱に悩まされている体験を元にオリジナル脚本で勝負した、それゆえにリアリティは疑うべくもなく更に「法廷画家」という珍しい職業を取り入れることによって、様々な凶悪事件に関連した人々の悩みや苦しみ、人間離れした凶悪犯たちの抜け殻みたいな生き方=ありふれた夫婦の日常が実は同じくらい苦しいという事を描いているのではないかと感じた。相米慎二監督が得意とする驚異的な長回しの中で繰り広げられる緊張感の高め方に勝とも劣らない演出力で力のある長回しのシーンが繰り広げられているのは賞賛に値する。長回しは演じている役者、じっと耐える監督、少しのミスも許されないスタッフ陣のそれぞれの力が結集しないと成功しない大技なのだ。

2.小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で一世を風靡したリリー・フランキーが夫・カナオ役で主役を務めているが映画出演はなんと初めてとのことだった。余程、監督の中でいけるという確信があったに違いないが、このキャスティングが見事な成功を収めていることは疑いもなかった。妻・翔子(木村多江)も普通から鬱に陥り、更に再生していくという難しい芝居を非常に上手く演じていた、間違いなく彼女の代表作になることだろう。ちなみに一番いいなと思ったのは、本屋のサイン会であふれ出る涙を隠すためにその場にあった地図本で顔を覆って無く所。地図本が彼女の悲しみを更に深めている名シーンだと感じた。

<BAD POINT>
1.カナオが翔子に比べて感情の起伏が乏しい為に最後まで感情移入が出来なかった。鬱で自暴自棄になっている翔子を最後までやさしさで包んでいる夫というのは個人的に現実感が乏しかった。しかしこれは、観る人によってかなり意見が分かれる箇所だとも思った、ある意味でこれが映画の面白い所でもあるのだが・・・まぁとにかく観て判断してほしい。

2.ということで寺で天井の絵を見ながら夫婦の愛を確かめ合うクライマックスのあとが非常に長いと感じた。法廷のシーン自体は全然悪くないのだが、カナオがそれほど悩みを抱えている様には思えないだけに何も意味を感じないシーンが続いているように見えるのであった。映画自体も二時間を超えているだけに、最後は結構ダレてしまったのは俺だけだろうか?
(IE5)

ぐるりのこと。 - goo 映画


夫婦って難しい・・・と独身ながら思いました。
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天下の東映がこんな宣伝活動でいいのか!

現在、日本映画界で活躍する監督の中で必ず公開した映画に足を運ぶのが阪本順治監督である。デビュー作「どついたるねん」は勿論、どうしようもない男二人の逃避行「傷だらけの天使」や通天閣のビリケンさんが人間界に現れた「ビリケン」、藤山直美が殺人者を怪演した「顔」、韓国との闇にメスを入れた「KT」、庵野秀明が戦闘シーンを手がけた「亡国のイージス」などなど、影を背負った男と女、そして国家が抱えるタブーに斬り込んでいく姿勢と確かな切り口は個人的にはとてもフィーリングがあっていて好きな監督である。なかなか今の監督で阪本順治のような売れ線から真逆になりそうなテーマを好んで企画が通る人物はいない、逆に言えば阪本演出だからこそついていくプロデューサーなり俳優・スタッフがいるのは確かで、そのカリスマ性は平成の世では貴重な存在である。

さてその阪本順治最新作であるこの映画であるが、俺が観たのは劇場公開最終日・・・しかも公開を知ったのは三日前という驚愕の出来事があった。新人監督の自主上映なら分かるが、日本映画を代表する監督作品が、人の数倍も映画アンテナを張っている俺に引っかかってこないとはどういうことだと驚きと共に配給・宣伝の「東映」に怒りを感じた。業界関係者に聴くと「東映」は目玉作品・・・例えば「男たちのYAMATO」ぐらいに大作映画以外は殆ど宣伝しないらしい。というか、宣伝する力が無いのが実情だそうだ。会社自体がかなり資金面でシビアなのは、数年前に銀座の本社の前で賃金アップを訴える数名の社員を目の当たりにした経験があるので想像に難くないのだが、仮にも日本アカデミー監督賞を受賞した映画に対する対応ではないだろうと思った。「カメレオン」の次に公開されている「闇の子供たち」の方は都内では看板やらポスターやらが溢れていて納得なんだが、要は映画は作品として完成しただけではただのフィルムという事を分かって欲しいと思う。映写機とスクリーンの間に観客がいて初めて映画であるとは荒戸源次郎の言葉だが、全くその通りである。


<GOOD POINT>
1.松田優作の作品で一躍名を馳せた丸山昇一が脚本を担当しており、丸山得意の剥き出しで痛々しい感情がノッケからぶつかり合っている。やっぱりオープニングの階段シーンを観るだけで、この映画はそこらのテレビ映画とは違うということを明確にしてくれるし、映画ファンにある種の安心感を与えてくれるのである、分かりやすくいうと「ああ、これは映画だな」ってことなのだが・・・。この映画で一番面白いのは結婚詐欺をしていたのが司会や新郎一家を演じた、老いぼれ旅芸人と若い落ちぶれ詐欺師という設定。式が終わった時点では司会、ヤクザ、新郎を演じた若者だけを追い掛けているのだが、その10分後に老いぼれ旅芸人もグルだったと分からせる二段構えの構成が非常に上手くて考えられていると感じた。こういった見せ方っていうのは最近、なかなか観ることができなくてそのトリックに嵌められた事に思わずニヤって笑ってしまうこと請け合いだ。

2.主人公の伍郎を演じた藤原竜也が妖しく悲しいカメレオン男を見事に演じている。元々、演劇の方では高い評価を受けていたが映画の方には意外に進出していなかっただけに、今後の活躍が楽しみである。二枚目俳優が避ける汚れた部分にも全く関係なく踏み込んでいけるのは中々の強みである、やや一本調子の場面もあったがジャニーズ系よりは全然力があると感じた。

3.国会のシーンはとてもリアリティがあって素晴らしかった。特にセットは本物と見間違うほど(まさか使用許可はでないだろうからセットと思うのだが)。これは一見の価値があるし、ラストはこのリアリティが生きているから成功していると思った。


<BAD POINT>
1.カーチェイスがしょぼくてしょぼくて・・・そこだけ「あぶない刑事」をテレビドラマを観ているかのように薄っぺらくてテンションが一気に冷えてしまった。このシーンってハッキリ言って全部切ってもなんの問題もないと思うのだが、入れないといけない理由でもあったのだろうか?

2.伍郎達が敵と対決するシーンも漫画っぽくて恥ずかしいくらいに安っぽく見える。もしかして狙っているとしたら阪本演出の問題だが、丸山昇一が書いた時期が70年代という刑事映画爆発&アクションモノ全盛時代だった為に、そのまま脚本を映像化しているとしたら分からないでもない・・・どちらにしてもこれをGOしてふんだんに金を使ったプロデューサーを疑ってしまう。
(IE5)

カメレオン - goo 映画


こんな予告編、全く観ることは無かった。どこでやってたんだろう?

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アイデアは抜群だったが、展開には疑問アリ・・・

アメリカの恋愛映画は日本と比べてライトなノリが多くて楽しめるモノが割とある。もちろん人の好みにもよるのだが、個人的には昼のメロドラマ的な物語に興味がそそられる要素は無いに等しく、学生が子供できてみたいな話しもどうでも良いし、二枚目の男女がくっつこうが全く意味を感じない。前にも同じ事を書いたが、要は「どんな奇抜な発想で恋が進んでいくのか?」という事に力を注いだ恋愛映画のみ反応できる訳である。

まぁ文化の違いもあってアメリカは人前でも平気でキスするし、子供から大人へ成長する過程を大人達は日本とは違ってかなりオープンに接している、つまりキスしようがセックスしようが妊娠しようが世間に隠したりはせずに、話し合い時には共に相手と戦ったりするのである。なかなか日本では考えられないような発想が多いのだが、映画的に見ると非常にメリハリが利いていて分かりやすくドロドロせず、良い効果が高いと思われる。日本映画も少し誇張的でも良いのでこういったメリハリをつけた展開を考えてみると今までにない恋愛映画が作れると思うのだが。

<GOOD POINT>
1.昔からよく言われる「男女の仲に純粋な友情は成立しない」という言葉、この言葉が正しいかどうかは置いといて、映画ではその言葉通りセックス無しで10年以上も固い友情を気付いてきた男女が主役のお話。その女性が結婚することになった時に男は初めて自分の中に違う感情があることに気付く・・・というアイデアはとても面白いと感じた。主人公の色男トム(パトリック・デンプシー)は金持ちで何人もガールフレンドがいてという嫌みな男ながら、「女性はたぶんこういう奴に惹かれるんだろうな」と思わせるやわらかな物腰と憎めない笑顔。対する女性ハンナ(ミシェル・モナハン)はトムと真逆に真っ直ぐな性格、仕事も恋も一直線に突き進むという感じでロマンティック・コメディーとしては王道路線であるのだが、やはりこのテイストはアメリカ映画しか出せないというライトな仕上がりになっていた。

2.学生時代のトムとハンナがどのように出会い、友情を育むようになったかを冒頭あたりで5分くらいで非常に上手く纏めていた。更に二人の性格描写も巧みに織り交ぜているのでその後の物語にすんなり入り込めていくことができて良い始まりだと思った。しかし向こうの学生はホントにこれほどまでに治外法権な恋愛なのだろうか?


<BAD POINT>
1.しかしながら肝心の恋の展開に関してはお粗末な点が多い。まずハンナの結婚介添人に選ばれたトム以外の3人の女性が全く活きておらず、ハンナの母も祖母も出ているのにそれほど感動した結婚式になっていない。「27のドレス」はその点良く練られており登場人物を極力削って(たしか友人で主要メンバーは一人だった)できるだけごちゃつかせないようにしていた。さらにトムとハンナが土壇場でくっつくのだが、優しくて仕事もできて包容力もあり、貴族(文字通りの王子様!)という、あそこまで完璧なフィアンセがいながら一度のキスだけで全てが大逆転するのは展開的には無理があるだろう。ハッキリ言って肝心のこのポイントがグダグダだと他が良くてもNGのレッテルは免れない・・・残念であった。

2.バスケット仲間の中でいつも少しのろまで除け者扱いされていた男性がいたのだが、最後まで何も手を差し伸べられることのないまま終わってしまい救いが無かった。この男性以外にも結構中途半端に描かれている人物は多かったのが目に付いた。小さなエピソードも必ず終わりまでに解決しておかないと観客はフラストレーションが溜まっていくものである。そういう意味では脚本の練り直しが足りない作品だった。
(IE5)

近距離恋愛 - goo 映画


この手の雰囲気は好きなんやけど・・・
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期待はずれのちょこっとバージョンアップ

ジャパニメーションの名を世界に轟かせた歴史的名作が押井守自らの手によって完全リニューアル!と謳われていたので、どんなに凄い事になっているのかと期待して観に行った。大友克洋「AKIRA」と並んで評価された当時、俺は殆ど物語の内容に関しては訳が分からずにただ圧倒的な画のレベルの高さに見とれていたという記憶がある。それが公開当時の1995年だと考えると、まだパソコンが一般的に普及するかしないかの時期である、サイバーネット関連の作品は今では無数にあるが全ての原点がここにあるといっても過言ではないかもしれない、この作品から「マトリックス・シリーズ」が生まれた事を考えると感慨深いものがあった。

<GOOD POINT>
1.今観ると物語もついて行けるもんだ。まぁ複雑は複雑なのだが、やはり巷に亜流が溢れているので免疫力が上がっているのだろう。しかし、改めてこの当時にこれだけのストーリーを考えられたモノだ。士郎正宗の原作も当時読んだ記憶があるのだが、映画になることでビジュアル的な要素が格段に近未来の世界観を高めた事は否定できないだろう。OVA版の攻殻機動隊シリーズも最高にクールだが、やはり映画の方が重厚感は分があると感じた。あとアジア的な主題歌も耳に残るんだな〜。

2.まだCGアニメーションが完成されていない分、アナログ的な技術は最高レベルを堪能できる。当時から観客をアッといわせた光学迷彩や最後の攻防で肉体が引きちぎられていく時の細胞が分裂してく様などの描き方はもの凄い力を感じる。押井守はもうすぐ新作「スカイ・クロラ」が公開される、攻殻から10年以上経てどういったアニメーションを作ってくれるのか期待は大きい。

<BAD POINT>
1.肝心の新たな映像であるが、これは全然大したことがなかった。しかも全編リニューアルでは無く(もしかしたら音のみ全編修正しているのかも)、その映像が映画の効果を高めているとはいえず、逆にチグハグな印象を与えていた。これは正しく「機動戦士Zガンダム」の劇場版シリーズで、一部だけリニューアルされた綺麗なアニメーションを差し込んで全体のバランスをぶっ壊した例と良く似ているだろう。やはり「エヴァ」くらい気合い入れて全部を直すぐらいじゃないとファンは納得できないだろう。
(IE5)

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0 - goo 映画


なんと「スカイ・クロラ」公開記念だそうで・・・。
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日本での劇場公開署名運動が起きるほどの映画では・・・

昨年「ホテル・ルワンダ」が同じように劇場公開署名運動によって日本で公開されたが、この映画も同じ形で日本にて陽の目をみたようだ。日本と同じくイギリスでもアクション映画は撮りづらい環境にあるらしいのだが、「それでもなんとかやってみたいと」サイモン・ペグは熱い想いで主演・脚本を務めた(監督はエドガー・ライト)。映画にもその熱は現れていて、とにかく銃を撃つシーンだけはやたらと画面に勢いが出ているし、こよなくB級映画を愛しているであろうチープなエピソードを所々にまぶしている。

邦題で「俺たち」が付いているとおり、あのスーパー馬鹿映画「俺たちフィギアスケーター」の温厚をあやかろうとしている、実際にこの映画もコメディ的な要素はふんだんに盛り込まれてはいるのだがいかんせん笑えるレベルが本家とは違いすぎた・・・まぁ、本家はかなり下品だが。まぁ結論から言えば、署名運動が起きるほどのものでは無かったと思うがこの映画をタランティーノが絶賛しているらしいので、B級好きにはやはり堪らない要素があるのだろうと思う。

<GOOD POINT>
1.冒頭からの30分はもの凄く展開が早いが非常に分かりやすく編集されている。これは低予算映画の作り方として非常に参考になるだろう。エリート警官・ニコラス(サイモン・ペグ)が上司から妬まれ地方に飛ばされるという流れのなかで、腕は立つが法という名の下に非常に頭が固い男というメリットとデメリットを上手く描いており見事だった。相棒のダニー(ニック・フロスト)もなかなか面白いキャラだったが、デブでバカだけど憎めないというのはB級映画の典型的なキャラであると再認識した。

<BAD POINT>
1.やはりB級映画の宿命なのかも知れないが、物語とドンパチのどちらを重視するかと問われればこの映画は明らかにドンパチを選択しているので、全くどうでも良い展開になっている所が多々ある。特にクライマックスはスーパマーケットのオッサンとの不自然な攻防や無意味に警察署を爆発させたりする所など、ヤレヤレといった感があった。個人的な好みにもよるが、俺はストーリー重視派なのでこういうのを見せられると途端にリアリティを欠いて全く受け付けなくなってしまう。

2.村全体が実は敵だらけという設定は作り手としてはしてやったりと思っただろうが、どう考えても物語の中盤になれば分かってしまうと思うのだが。誰が敵で誰が見方かという見せ方という意味では例えば所長がやたらにニコライに甘かったりすると逆に「こいつは絶対にあやしい」とか思うのが普通と思われる。そういった意外性の狙いが外れたときもやはりテンションは下がってしまうものだ。あと残虐に殺したいという作り手の思いが強いほど、一般向けから遠ざかることも覚えておきたい。

ちなみにもうすぐ本家の続編「俺たちダンクシューター」が公開される。こちらはどんな仕上がりか楽しみである。
(IE5)

ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!- - goo 映画


予告編だけでもB級のニオイが充分に味わえます。

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