乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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日本での劇場公開署名運動が起きるほどの映画では・・・
昨年「ホテル・ルワンダ」が同じように劇場公開署名運動によって日本で公開されたが、この映画も同じ形で日本にて陽の目をみたようだ。日本と同じくイギリスでもアクション映画は撮りづらい環境にあるらしいのだが、「それでもなんとかやってみたいと」サイモン・ペグは熱い想いで主演・脚本を務めた(監督はエドガー・ライト)。映画にもその熱は現れていて、とにかく銃を撃つシーンだけはやたらと画面に勢いが出ているし、こよなくB級映画を愛しているであろうチープなエピソードを所々にまぶしている。
邦題で「俺たち」が付いているとおり、あのスーパー馬鹿映画「俺たちフィギアスケーター」の温厚をあやかろうとしている、実際にこの映画もコメディ的な要素はふんだんに盛り込まれてはいるのだがいかんせん笑えるレベルが本家とは違いすぎた・・・まぁ、本家はかなり下品だが。まぁ結論から言えば、署名運動が起きるほどのものでは無かったと思うがこの映画をタランティーノが絶賛しているらしいので、B級好きにはやはり堪らない要素があるのだろうと思う。
<GOOD POINT>
1.冒頭からの30分はもの凄く展開が早いが非常に分かりやすく編集されている。これは低予算映画の作り方として非常に参考になるだろう。エリート警官・ニコラス(サイモン・ペグ)が上司から妬まれ地方に飛ばされるという流れのなかで、腕は立つが法という名の下に非常に頭が固い男というメリットとデメリットを上手く描いており見事だった。相棒のダニー(ニック・フロスト)もなかなか面白いキャラだったが、デブでバカだけど憎めないというのはB級映画の典型的なキャラであると再認識した。
<BAD POINT>
1.やはりB級映画の宿命なのかも知れないが、物語とドンパチのどちらを重視するかと問われればこの映画は明らかにドンパチを選択しているので、全くどうでも良い展開になっている所が多々ある。特にクライマックスはスーパマーケットのオッサンとの不自然な攻防や無意味に警察署を爆発させたりする所など、ヤレヤレといった感があった。個人的な好みにもよるが、俺はストーリー重視派なのでこういうのを見せられると途端にリアリティを欠いて全く受け付けなくなってしまう。
2.村全体が実は敵だらけという設定は作り手としてはしてやったりと思っただろうが、どう考えても物語の中盤になれば分かってしまうと思うのだが。誰が敵で誰が見方かという見せ方という意味では例えば所長がやたらにニコライに甘かったりすると逆に「こいつは絶対にあやしい」とか思うのが普通と思われる。そういった意外性の狙いが外れたときもやはりテンションは下がってしまうものだ。あと残虐に殺したいという作り手の思いが強いほど、一般向けから遠ざかることも覚えておきたい。
ちなみにもうすぐ本家の続編「俺たちダンクシューター」が公開される。こちらはどんな仕上がりか楽しみである。
(IE5)
ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!- - goo 映画
予告編だけでもB級のニオイが充分に味わえます。
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