乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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72点
ぽ〜にょ、ぽにょ、ぽにょ、と唄いまくる子供達に囲まれて・・・
宮﨑駿は現在活躍する日本映画人の中で唯一「名前」で観客が呼べる人物だろう。「ハウルの動く城」から早くも4年が経過した新作を、宮﨑ファンはもちろん、普段は映画を観ない人までも興味を惹かせるというこのブランド力。当然、東宝が史上最大劇場公開館数を夏休み初日という最高条件でぶつけてきたのもの分かるというモノだ。
俺は初回(9:00)の回を観ようと念を押して30分くらい前に劇場に行ったのだが、子供連れやカップルが50人程列をなしているではないか!いくら夏休みとはいえ、ポケモンでもこんな朝早くから並ばないだろう。いやはや宮崎駿恐るべしである。しかしながら第一線で活躍してきた巨匠も67歳を迎えている、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」を描いた頃から20年近くも経っている。作風もテーマも変化していくのは当然であると想い、できるだけ心を真っ白にして鑑賞しようと心に誓ったのだが、ガキが・・・いや子供さんが周りではしゃぐのなんの!開始前から「ポニョ、ポニョ」の大合唱、マナーという文字を知らない子供達・・・思えばこの年齢に俺は「ナウシカ」に出会ったんだなと想い、怒らずにそっとしておいた。
<GOOD POINT>
1.やはり驚かせられるのは画のタッチが全く変わっている事だった、「ハウル」で極めるまで極めた色彩と描写の追求をポイッと捨ててしまって、全く新しい手法にて描かれている。勿論細かさでは「ハウル」の方が断然上なのだが、ポニョの世界観と不思議にマッチしていて見事な調和を成している、ドラマチックな嵐の場面でも生き物の様にうねる波が面白い効果を出している。感覚的には「もののけ姫」のドロドロした液体みたいな感じなのだが・・・やっぱり違う。
2.男の子・宗介と母親のリサはとっても魅力的である。特にシータ派よりもナウシカ派の俺としては若干攻撃的な目をしているリサは好きなタイプ、男勝りに車をかっ飛ばして波から宗介を守るシーンなんか思わずファンになりそうだった。宗介も5歳という設定を実に上手く生かしたキャラクター作りがされていて、子供なんだけど子供なりに男気を発揮するシーンが要所に盛り込まれている。アシタカ派(なんているのか?)よりもパズー派としての俺はこれにも満足だった。
3.やはり中盤のポニョ襲来のシーンがこの映画の最大の見せ場だろう。このシーンだけでもこの映画を観る価値はあると言っていい、先程も少し触れたが画のタッチを変える事によって生み出された新しいアニメを是非体感して欲しい。この年になっても手に汗握る映像を作り続ける宮崎駿はやはり素晴らしいと素直に感じた。あと家から父親の船にライトで信号を送るところも今までの宮﨑アニメでは観られなかった描き方だが、とっても好きなシーンになった。
<BAD POINT>
1.一番引っかかったのは、ポニョが全然可愛くないのである。ここでいうのは顔ではなくて性格、一言で言うと生意気で我が儘なのである。命を救ってくれた宗介を一途に思って会いに行くのはいいんだが、自分が気に入らなければすぐ水を吹くし、自分を育ててくれたハズの父親・フジモトに対しても全く敬意がないのである。そう言う意味では全く宗介と対称的、宮﨑アニメでタイトルに名前を付けられた人物としては史上最低な主人公ではないだろうか?
2.物語のクライマックスがいま一つ盛り上がらない。水没した街からリサがいる養老院に船で向かう宗介とポニョだが、なんか途中からポニョを本当の女の子にする設定が出て来てそれがいつのまにやら近づいている月を遠ざける唯一の方法となり、それで世界が救えるのは宗介ただ一人というのは何か降って湧いたようなエピソードの羅列の様で入り込めなかった。更にクライマックスに進むにつれてものすごくテンポが遅くキレが悪くなるために、かなりダレた感が強かった。中盤の嵐が凄かっただけにこのクライマックスの平坦さはどうしたことだ?と首をかしげてしまった。
(IE5)
崖の上のポニョ - goo 映画
この主題歌はたしかに耳に残る・・・。
ぽ〜にょ、ぽにょ、ぽにょ、と唄いまくる子供達に囲まれて・・・
宮﨑駿は現在活躍する日本映画人の中で唯一「名前」で観客が呼べる人物だろう。「ハウルの動く城」から早くも4年が経過した新作を、宮﨑ファンはもちろん、普段は映画を観ない人までも興味を惹かせるというこのブランド力。当然、東宝が史上最大劇場公開館数を夏休み初日という最高条件でぶつけてきたのもの分かるというモノだ。
俺は初回(9:00)の回を観ようと念を押して30分くらい前に劇場に行ったのだが、子供連れやカップルが50人程列をなしているではないか!いくら夏休みとはいえ、ポケモンでもこんな朝早くから並ばないだろう。いやはや宮崎駿恐るべしである。しかしながら第一線で活躍してきた巨匠も67歳を迎えている、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」を描いた頃から20年近くも経っている。作風もテーマも変化していくのは当然であると想い、できるだけ心を真っ白にして鑑賞しようと心に誓ったのだが、ガキが・・・いや子供さんが周りではしゃぐのなんの!開始前から「ポニョ、ポニョ」の大合唱、マナーという文字を知らない子供達・・・思えばこの年齢に俺は「ナウシカ」に出会ったんだなと想い、怒らずにそっとしておいた。
<GOOD POINT>
1.やはり驚かせられるのは画のタッチが全く変わっている事だった、「ハウル」で極めるまで極めた色彩と描写の追求をポイッと捨ててしまって、全く新しい手法にて描かれている。勿論細かさでは「ハウル」の方が断然上なのだが、ポニョの世界観と不思議にマッチしていて見事な調和を成している、ドラマチックな嵐の場面でも生き物の様にうねる波が面白い効果を出している。感覚的には「もののけ姫」のドロドロした液体みたいな感じなのだが・・・やっぱり違う。
2.男の子・宗介と母親のリサはとっても魅力的である。特にシータ派よりもナウシカ派の俺としては若干攻撃的な目をしているリサは好きなタイプ、男勝りに車をかっ飛ばして波から宗介を守るシーンなんか思わずファンになりそうだった。宗介も5歳という設定を実に上手く生かしたキャラクター作りがされていて、子供なんだけど子供なりに男気を発揮するシーンが要所に盛り込まれている。アシタカ派(なんているのか?)よりもパズー派としての俺はこれにも満足だった。
3.やはり中盤のポニョ襲来のシーンがこの映画の最大の見せ場だろう。このシーンだけでもこの映画を観る価値はあると言っていい、先程も少し触れたが画のタッチを変える事によって生み出された新しいアニメを是非体感して欲しい。この年になっても手に汗握る映像を作り続ける宮崎駿はやはり素晴らしいと素直に感じた。あと家から父親の船にライトで信号を送るところも今までの宮﨑アニメでは観られなかった描き方だが、とっても好きなシーンになった。
<BAD POINT>
1.一番引っかかったのは、ポニョが全然可愛くないのである。ここでいうのは顔ではなくて性格、一言で言うと生意気で我が儘なのである。命を救ってくれた宗介を一途に思って会いに行くのはいいんだが、自分が気に入らなければすぐ水を吹くし、自分を育ててくれたハズの父親・フジモトに対しても全く敬意がないのである。そう言う意味では全く宗介と対称的、宮﨑アニメでタイトルに名前を付けられた人物としては史上最低な主人公ではないだろうか?
2.物語のクライマックスがいま一つ盛り上がらない。水没した街からリサがいる養老院に船で向かう宗介とポニョだが、なんか途中からポニョを本当の女の子にする設定が出て来てそれがいつのまにやら近づいている月を遠ざける唯一の方法となり、それで世界が救えるのは宗介ただ一人というのは何か降って湧いたようなエピソードの羅列の様で入り込めなかった。更にクライマックスに進むにつれてものすごくテンポが遅くキレが悪くなるために、かなりダレた感が強かった。中盤の嵐が凄かっただけにこのクライマックスの平坦さはどうしたことだ?と首をかしげてしまった。
(IE5)
崖の上のポニョ - goo 映画
この主題歌はたしかに耳に残る・・・。
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