乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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60点
黒沢清オールナイト上映は大盛況!
先日、池袋・新文芸座で行われた黒沢清監督のオールナイト上映に行ってきた。さすがにこの年でオールナイトはきつくなってきたしどうしようかな?とも思ったが、今年は「ロード・オブ・ザ・リング」三部作一挙上映にも無事に参加できたので10番台の前売券を買って早々と決心したのであった。当日はご本人も登場し30分ぐらいのトークショーも開催、今回上映する初期傑作選4本(「神田川淫乱戦争」「ドレミファ娘の血は騒ぐ」「地獄の警備員」「勝手にしやがれ 強奪計画」)にまつわるエピソードと今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門にて賞を取った「トウキョウソナタ」(秋頃公開予定)について語っていた。
その黒沢清監督、第1回監督作品がこのピンク映画「神田川淫乱戦争」である。監督曰く「当時、ATGかピンク映画、どちらかを選択できる立場にあったが、早く撮影に入ることのできるピンクを選んだ」との事である。ピンクは裸で女が絡んでいれば何を撮っても良いとされるハードルが日活ロマンポルノよりも全然低いというのも要因に挙げられていた。どちらにしてもATGを選んでいたら製作過程でポシャる可能性がある事に対して、より確実に商業監督デビュー(自主映画は既に何本か撮っていた)できる道を選んだものと思われる。
現在第一線で活躍する監督では、これより数年前に井筒和幸監督が「行く行くマイトガイ 青春の悶々」(1975年)、周防正行監督が「変態家族 兄貴の嫁さん」(1983年)を発表している、その後もピンク映画からデビューして活躍していった監督は数知れず、ピンク映画はこの時代に生きた映画監督の登竜門的な役割を果たしている事は間違いない。
<GOOD POINT>
1.アパートでだらだらしている明子(麻生うさぎ)と雅美(美野真琴)が神田川を挟んで向かいに住んでいる受験生(岸野萌圓)が母親(沢木美伊子)に犯されているのを救いに行くというどうでも良い奇想天外な話しではあるのだが、ピンク映画という低予算ながら、ナイター(夜間の撮影)もあるし川でやりたい放題に戦ったりしているので驚かされる。最初はただ絡んでいるだけと思わせておきながらも、最後は明子の必死さに胸打つモノが生まれているのである。そして一番なのは、ドラマではなく映画であったと感じる点であった。
2.予算的な事であろうが、エンドロールの代わりに監督自らスタッフを声で紹介しているのは良い効果を生んでいた。こういった予算を少しでも削ることによって、本編の撮影を充実させていくという意識は、ピンクじゃなくても低予算映画では学ばなくてはいけない姿勢である。
<BAD POINT>
1.まぁピンク映画ってことで粗をそのまま指摘するってのはヤボなこと。この作品では監督の可能性を感じることができただけで良かったと思います。
(IE5)
トウキョウソナタの予告編を一足お先にどうぞ!
黒沢清オールナイト上映は大盛況!
先日、池袋・新文芸座で行われた黒沢清監督のオールナイト上映に行ってきた。さすがにこの年でオールナイトはきつくなってきたしどうしようかな?とも思ったが、今年は「ロード・オブ・ザ・リング」三部作一挙上映にも無事に参加できたので10番台の前売券を買って早々と決心したのであった。当日はご本人も登場し30分ぐらいのトークショーも開催、今回上映する初期傑作選4本(「神田川淫乱戦争」「ドレミファ娘の血は騒ぐ」「地獄の警備員」「勝手にしやがれ 強奪計画」)にまつわるエピソードと今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門にて賞を取った「トウキョウソナタ」(秋頃公開予定)について語っていた。
その黒沢清監督、第1回監督作品がこのピンク映画「神田川淫乱戦争」である。監督曰く「当時、ATGかピンク映画、どちらかを選択できる立場にあったが、早く撮影に入ることのできるピンクを選んだ」との事である。ピンクは裸で女が絡んでいれば何を撮っても良いとされるハードルが日活ロマンポルノよりも全然低いというのも要因に挙げられていた。どちらにしてもATGを選んでいたら製作過程でポシャる可能性がある事に対して、より確実に商業監督デビュー(自主映画は既に何本か撮っていた)できる道を選んだものと思われる。
現在第一線で活躍する監督では、これより数年前に井筒和幸監督が「行く行くマイトガイ 青春の悶々」(1975年)、周防正行監督が「変態家族 兄貴の嫁さん」(1983年)を発表している、その後もピンク映画からデビューして活躍していった監督は数知れず、ピンク映画はこの時代に生きた映画監督の登竜門的な役割を果たしている事は間違いない。
<GOOD POINT>
1.アパートでだらだらしている明子(麻生うさぎ)と雅美(美野真琴)が神田川を挟んで向かいに住んでいる受験生(岸野萌圓)が母親(沢木美伊子)に犯されているのを救いに行くというどうでも良い奇想天外な話しではあるのだが、ピンク映画という低予算ながら、ナイター(夜間の撮影)もあるし川でやりたい放題に戦ったりしているので驚かされる。最初はただ絡んでいるだけと思わせておきながらも、最後は明子の必死さに胸打つモノが生まれているのである。そして一番なのは、ドラマではなく映画であったと感じる点であった。
2.予算的な事であろうが、エンドロールの代わりに監督自らスタッフを声で紹介しているのは良い効果を生んでいた。こういった予算を少しでも削ることによって、本編の撮影を充実させていくという意識は、ピンクじゃなくても低予算映画では学ばなくてはいけない姿勢である。
<BAD POINT>
1.まぁピンク映画ってことで粗をそのまま指摘するってのはヤボなこと。この作品では監督の可能性を感じることができただけで良かったと思います。
(IE5)
トウキョウソナタの予告編を一足お先にどうぞ!
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