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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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jyuusann.jpgスリリングな良作娯楽作品
無実の罪で死刑が迫っている受刑者を救う為に、あることから殺人に及んでしまった青年と刑務官が奔走する。事件の真相を探るスリリングな展開に、日本の死刑制度や受刑者たちの苦悩が織り込まれ重厚なドラマが展開する。きっちり娯楽作品でありながら、テーマ性もあり、かなり読ませる一冊だ。

新鮮な設定
映画にもなっているので、少し前の話題作だと思うが、全然内容は知らなかった。しかし、これは予備知識なく読んで本当に良かったと思う。何よりお話が面白い。3ヶ月の期限付きの犯人探しという要素に、元殺人犯と刑務官という斬新なコンビの設定が秀逸に感じた。同じ内容でもいきなり刑事が出てくれば興ざめだが、その微妙な設定が興味を引く。

死刑制度について
日本の死刑制度は、ちょっと前に現法相の「死神」事件で取り上げられていたので、より興味深く読めた。「人が人を裁く」という重いテーマにも踏み込んでおり、しかも、その場面が単なる説明ではなく、登場人物の過去として実にリアルに書かれている。ここだけでも十分面白い。他にも資料がきっちり小説として昇華されており、興がそがれることもない。その辺も上手いなあと思う。

娯楽作品として文句なし
知らない世界を覗く快感、興味を引っ張る主人公達の「過去」、意外な展開を見せる捜査状況とほとんどだれずに最後まで引っ張ってくれる。文章の硬度もこの内容に相応しいものだ。終盤の展開が力技過ぎる気もするが、読んでいる間は気にならない。ラストは賛否両論あるかもしれないが、自分は満足できた。不満があるとすれば色んな「強引さ」かもしれないが、娯楽作品としては文句なし。

本ブログ的に一押し
総じて、パズルのような推理小説でもなく、バリバリの社会派作品でもなく、下品なおふざけも無く、才能が鼻につくでもない稀に見る傑作娯楽作品だ。久しぶりに内容にも読後感にも満足できる一冊だった。こういう本に次々出合えれば本当に幸せだ。これまでのホラー・サスペンス特集では一押し作品としたい。

評価点:90点 スリルとサスペンスと寂寥感
解せないシーンもあるにはあるが(終盤の種明かし部分や「偶然」の多発)整合性よりも面白さを取った結果だと見た。映画の評価はイマイチだが、何となく分かる気がする。

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未見だ
映画も観てないけど、そんなに面白いなら読んでみたい。陪審員制度発足前という意味合いからも興味深いな。あと文字が小さく見えるのは俺のサイトだけだろうか?フォントサイズを一度チェックしていただけるとありがたい。
IE5 2008/07/17(Thu)00:22:37 編集
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