乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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88点
国が違えば子供の出産はここまで描き方が変わってしまう!
アカデミー賞、最優秀脚本賞を受賞した作品。アメリカでは当初7館だけの上映だったが口コミから上映館が拡大、遂にアカデミー賞の追い風を受けて全世界にJUNO旋風が吹き荒れた珍しい映画である。今年の脚本賞ノミネートは「フィクサー」「レミーのおいしいレストラン」あと日本未公開が2本であったが、「フィクサー」しか観ていないのでなんともいえない、とにかくここにノミネートされる時点で星の数ほどある世界中の脚本のなかでもトップレベルの称号を得ることは間違いないだろう。このジュノも「子供の妊娠」という非常に暗いテーマになりがちな題材を非常にポップにそして出産するという女性の永遠のテーマを軽んじることなく描ききっている。
同じ題材として日本でもドラマ「14歳の母」がヒットしたことが記憶に新しいが、アプローチの仕方次第でここまで物語って変わるんだなぁと改めて感じた。どちらが優れているという事ではないが、少なくとも日本ではジュノのような脚本を書ける人はいないと思われる。これは親子や生活環境における文化の違いが根っこにあると思う。やはりアメリカ人は良くも悪くも大胆に全てをさらけ出し、悩みと喜びを分かち合う人種であり、日本人は逆に悪いことや臭いものには蓋をしてできるだけ最小限に情報を制限してしまう傾向になるのである。そしてその事実が発覚すると、さも親の首を取ったかのように騒ぎ出し、見つかった方はこれ以上生きてても仕方がないという程に追い込まれてしまうのである。これじゃ、どっちがいいの?と問われば答えは火を見るより明らかだろう。
<GOOD POINT>
1,とにかくセリフのセンスとテンポの良さが素晴らしい。英語で実際の意味は分からないが、ジュノ(エレン・ペイジ)の1発目のセリフは殆どがまともな会話ではない。最初、ジョークで始まり(あるいは受け答えたり)しながら3回目のキャッチボールくらいでまともな会話に入っていく、この時の会話の内容はいたって真面目なやりとりなのだが最初にジョークで悪態をついているためにジュノのいかにも16歳の現役ハイスクールキャラクターがぶれていない。ジュノの親も彼氏も友達も妊娠した事をせめる人間は一人も無く、どうやってその環境を受け入れて歩んでいこうか共に考え行動していく所もアメリカならでは、でも日本を舞台にしてこういったライトな感じを出せると新たなタイプの恋愛映画ができるハズである。
2.妊娠したお腹はどうやって撮影しているんだろう?まぁ特殊造形担当(?)さんが妊娠したお腹を作っているんだろうが本物にしか見えない。ジェルを塗って超音波をあてるシーンなんかリアルだし、シャツの上からも分かるデベソ状態も細かい演出でGOOD!しかし女性は大変だ。子供が生まれると女は母親として子供にかかり切りになり父親は疎外感が高まるというのも頷ける。子供が誕生したときのジュノの表情は正しく母親だった。子供にとって母親に年齢は関係なく、母親にとってどんな状況で生んだとしても愛すべき生命体なのである。
<BAD POINT>
1,別に悪口でもないんだが、この映画の宣伝に使われている「低予算映画ながら大ヒット」の低予算。実はこの映画の製作費は10億円・・・日本映画でいえばそこそこの大作である。ハリウッドでは確かに低予算なのかもしれないが、立派にクレーンカメラも使っているし演技派の役者を揃えている。別にひがみで言ってる訳ではないですが・・・羨ましいのは確かです。
(IE5)
JUNO/ジュノ - goo 映画
こりゃ女性が興味をそそるのも頷ける。
国が違えば子供の出産はここまで描き方が変わってしまう!
アカデミー賞、最優秀脚本賞を受賞した作品。アメリカでは当初7館だけの上映だったが口コミから上映館が拡大、遂にアカデミー賞の追い風を受けて全世界にJUNO旋風が吹き荒れた珍しい映画である。今年の脚本賞ノミネートは「フィクサー」「レミーのおいしいレストラン」あと日本未公開が2本であったが、「フィクサー」しか観ていないのでなんともいえない、とにかくここにノミネートされる時点で星の数ほどある世界中の脚本のなかでもトップレベルの称号を得ることは間違いないだろう。このジュノも「子供の妊娠」という非常に暗いテーマになりがちな題材を非常にポップにそして出産するという女性の永遠のテーマを軽んじることなく描ききっている。
同じ題材として日本でもドラマ「14歳の母」がヒットしたことが記憶に新しいが、アプローチの仕方次第でここまで物語って変わるんだなぁと改めて感じた。どちらが優れているという事ではないが、少なくとも日本ではジュノのような脚本を書ける人はいないと思われる。これは親子や生活環境における文化の違いが根っこにあると思う。やはりアメリカ人は良くも悪くも大胆に全てをさらけ出し、悩みと喜びを分かち合う人種であり、日本人は逆に悪いことや臭いものには蓋をしてできるだけ最小限に情報を制限してしまう傾向になるのである。そしてその事実が発覚すると、さも親の首を取ったかのように騒ぎ出し、見つかった方はこれ以上生きてても仕方がないという程に追い込まれてしまうのである。これじゃ、どっちがいいの?と問われば答えは火を見るより明らかだろう。
<GOOD POINT>
1,とにかくセリフのセンスとテンポの良さが素晴らしい。英語で実際の意味は分からないが、ジュノ(エレン・ペイジ)の1発目のセリフは殆どがまともな会話ではない。最初、ジョークで始まり(あるいは受け答えたり)しながら3回目のキャッチボールくらいでまともな会話に入っていく、この時の会話の内容はいたって真面目なやりとりなのだが最初にジョークで悪態をついているためにジュノのいかにも16歳の現役ハイスクールキャラクターがぶれていない。ジュノの親も彼氏も友達も妊娠した事をせめる人間は一人も無く、どうやってその環境を受け入れて歩んでいこうか共に考え行動していく所もアメリカならでは、でも日本を舞台にしてこういったライトな感じを出せると新たなタイプの恋愛映画ができるハズである。
2.妊娠したお腹はどうやって撮影しているんだろう?まぁ特殊造形担当(?)さんが妊娠したお腹を作っているんだろうが本物にしか見えない。ジェルを塗って超音波をあてるシーンなんかリアルだし、シャツの上からも分かるデベソ状態も細かい演出でGOOD!しかし女性は大変だ。子供が生まれると女は母親として子供にかかり切りになり父親は疎外感が高まるというのも頷ける。子供が誕生したときのジュノの表情は正しく母親だった。子供にとって母親に年齢は関係なく、母親にとってどんな状況で生んだとしても愛すべき生命体なのである。
<BAD POINT>
1,別に悪口でもないんだが、この映画の宣伝に使われている「低予算映画ながら大ヒット」の低予算。実はこの映画の製作費は10億円・・・日本映画でいえばそこそこの大作である。ハリウッドでは確かに低予算なのかもしれないが、立派にクレーンカメラも使っているし演技派の役者を揃えている。別にひがみで言ってる訳ではないですが・・・羨ましいのは確かです。
(IE5)
JUNO/ジュノ - goo 映画
こりゃ女性が興味をそそるのも頷ける。
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