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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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奇跡的なミュージカル映画

今日から古典を見直す意味でも過去の名作も新作と平行して検証していきたい。今までも散々映画は観てきたので、一つルールを作ってみた。初めて観た、何回も観たに関わらず、いま観たモノを書くということ。つまり現在の自分が持っている感覚で評価していきたい。

「赤い靴」は名作中の名作ミュージカル映画として語り継がれてきたが、いま観ても全然その評価は変わらないと言えるだろう。この映画が素晴らしいのは、ミュージカルと映画が極めて自然な流れで繋がっていることに他ならない。人気バレエ団に生きる面の人間、裏の人間、明日を夢見るバレリーナ。生きる事とは踊る事とはばからない人間達のドラマが全てダンス部分に集約されているのである。

最近も数多くのミュージカル映画が作られているが、曲の良さや歌やダンスの巧さには力を入れているが肝心のストーリーとリンクしている作品がどれだけあるだろうか?

<GOOD POINT>
1.バレエという取っつきにくい題材を分かりやすくするために、冒頭のシーンで全くバレエ無知の音大学生達とバレエファンとがいがみ合わせて上手く説明している。

2.憎まれ役の描き方がとても上手い、生活を全てバレエに捧げているレルモントフ(アントン・ウォルブルック)はバレエに妨げになるモノを全て排除しながら生きている堅物なのだが、全然憎めないキャラクターなのだ。逆にヒロインのヴィキイ・ペイジ(モイラ・シアラー)に「お前、踊りが人生と違うんかい!」と突っ込みをいれたくなる。

3.20分に渡る壮大な「赤い靴」上演シーン。実際のバレエと映画のマジックを実に上手く融合させたのが素晴らしい。どこを切ってもアイデアの塊の様なシーンである。CGが無い時代の方がより幻想的で感動的な世界観を作り出せると感じるのは、やはりどうにかしてイメージを伝えたいという情熱からくるアイデアの凄さだと感じた。

<BAD POINT>
1.最後にヴィキイが列車に飛びこみ自殺を図るシーンで、どう考えても即死と思うだけに最後の事切れる箇所は入らないと感じた・・・まぁ赤い靴にかけているのだろうが。
(IE5)

赤い靴(1948) - goo 映画
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キーラ・ナイトレイは圧倒的に正面美人だった

アカデミーで多数のノミネートから作曲賞を受賞。作曲賞というのは映画の前評価的に微妙な要素なのだが、結構お客さんは入っていた。ハリウッドと思っていたら製作はイギリス、そう考えると昔ほど国ごとのカラーは無くなってきているのかと思わされる。

少し話は逸れるが、先日、アメリカのインディーズの要であったニューライン・シネマがワーナー・ブラザーズに吸収される事がニュースになっていた。どうやら「ライラの冒険」が予想に反して収入が上がらなかった事が要因らしい・・・「マスク」「セブン」「ロード・オブ・ザ・リング」と大手に真っ向から挑んで栄光を勝ち取ってきた会社だけに残念である。大手の会社も最近では単館系でかけるような作品にもどんどん力を入れだした。ここに勝てない理由が出て来たのかもしれない。

それで映画であるがとても不思議な構成で前半はエロチシズム溢れる展開で後半はガラリと戦争映画という感じである。あまりに前半と後半の色が違うために少々戸惑ったし、作者の言いたい意図が中途半端に分からなくなってしまった。この作品も少し凝った回想方法と編集を行っているのだが、個人的には鼻につく場面も少なからずあり、あまり良い効果は出ていないと感じた。

ヒロインのキーラ・ナイトレイはとても美しい女優だ、肌着一枚で噴水から出て来たときの体のラインにはドキリとさせられる。しかしアップになると正面と横顔では魅力が全然違うと感じるのは俺だけか?八代亜紀ではないが、キーラ・ナイトレイは完全に正面美人だと言えるだろう。

<GOOD POINT>
1.後半の戦争パートで、ジェイムズ・マカヴォイ隊の生き残りが浜辺にいる味方に辿り着くのだが、ここから始まる5分ぐらいの長回しは圧倒的である。若干のCGは入っているかもしれないが、とにかく生々しく痛々しい。このシーンだけ見ると「プライベート・ライアン」よりもある意味リアルかもしれない。まぁ映画を通して見れば、ここまで作り込む必要性に疑問を感じるが。

2.負傷兵の傷跡の生々しさが凄い。どう作り込んでいるのか分からないが、見るも無惨な傷跡やら肉片がとても上手に作られている。包帯を取るシーンはとても驚いたが、戦争っていう行為の愚かさを見せるためには傷がリアルな程に効果がある事を示していると感じた。


<BAD POINT>
1.謎が謎になりきれていない!子供が大人に草むらで襲われるシーンがあり、その大人は誰?という謎で最後まで引っ張っているが、ちゃんと見てればどう考えても犯人は分かるはず。ちょっと観る人を嘗めてないか?と思わせる構成だ。

2.やはりこの映画はラブストーリーと思うのだが、どうもスッキリしない終わり方だ。おそらく最後のシーンが「つぐない」という意味での回想にしてしまったからだと思うのだが。なるほど上手い!とその時は思ったのだがエンドロールを見ながらしっくりこない自分がいた。やはり映画は奥が深い。
(IE5)

つぐない - goo 映画
画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1208172995" は壊れているため、表示できませんでした。 53点

やはり大阪人情モノは関西弁が全てであった・・・

メキシコ五輪の銅メダリスト・森岡栄治の自伝映画。この映画を観るまでこのボクサーの事は知らなかったが、どうやら実の甥の方が脚本と監督を兼ねたようだ。現時点まででボクシングでは最後のオリンピック・メダルホルダーということだが、実生活の波瀾万丈な生き方の方が馴染みあるらしい。その人物を演じたのは武田真治、普段から体を鍛えることに重きを置いているらしいが見事な筋肉美を披露しボクシングシーンもサマになっていた。

しかし・・・悲しいかな、関西弁が微妙に変で気になった。これは俺が関西人だから余計なのか?他の主要な俳優陣、広末涼子は四国出身だからかこなれているし、赤井秀和や山崎邦生はそのまんまやし、子役はどうみても関西の子やった。武田真治は評価できる程に熱演だった、妙なユーモアもあり学生時代の回想シーンも見事に10代になっていて良かったのだが、やはりここは主役ということからも関西弁を話せる人物をキャスティングするべきではなかったか?

かつて阪本順治の「どついたるねん」で主役をつとめた赤井秀和が出ているだけに余計に主役の存在感が軽く見えてしまったのも残念だ。そう言う意味では赤井のキャスティングにも疑問符が付く・・・まぁキャスティングしたい気持ちは充分に分かるのだが。「かぞくひけつ」と共に大阪を舞台にした人情映画。個人的にはこの手の映画はどんどん出た方が良いと思っているの応援したい。

<GOOD POINT>
1.子役の藤本七海という女の子は良い味を出している。活発さと哀しさを背負った現代の「じゃりン子チエ」みたいな印象を持った。実写版「ちびまるこちゃん」に対抗して誰か実写版「じゃりチエ」をやろうという人は出てこないか?絶対にこの子はいけると思うのだが。

2.広末涼子がなかなか擦れた女をイイ感じで演じていた。実生活でも色々あったみたいだが、良い意味でアイドル時代のアカが落ちていた。まだまだ容姿もスタイルも充分なので、これからもこの手の女を演じていけば面白い存在になると感じた。


<BAD POINT>
1.途中で時代が10年くらい経過するのだが、子役が宝生舞に変わっているのに武田真治と広末涼子はそのままなのがいただけない。広末より宝生の方が年上に見えないことも無く、せめて武田・広末を老けさせるか何か手は無かったのか?

2.女の子が男の子の気を惹こうと色々と画策したりする場面が幾つかあるが、少々くどくコテコテ関西人っぽくなっている所が残念。せっかく良い演技をしているだけに、ただのアホな子になりかねない危うさがあった。
(IE5)


子猫の涙 - goo 映画

pans.jpg痛い痛い

スペイン内戦を舞台に、悪逆非道な大尉に見初められた女の連れ子として森にやってきた少女のストーリー。基本的には、辛い現実からの逃避方法としてのファンタジーがCGを使って描かれている。先日、IE5が紹介していた「テレビジアに架ける橋」に近く(設定しか知らないが)、「ライラの冒険」のようなハイ・ファンタジーではない。むしろ「ダンサー・インザ・ダーク」のミュージカルシーンがファンタジーになった、という設定である。

デルトロ映画は初めてだったが、とにかく痛い描写の連続で、体調が分かったこともあり、久しぶりに画面から目を背けたりした。首チョンパ系の笑える残酷描写ではなく、ジリジリ来る。しかも妊婦や拷問シーンなど、今最も観たくないシチュエーションが満載。スプラッター映画ではないので、直接的な残酷描写は微妙にぼやけさせているが、それでも口が裂けたり、自分で縫ったり、そういうのはイラン。

対してファンタジーシーンはクリーチャーのデザインが秀逸。特に手の目の怪物は怖さと滑稽さが上手くミックスされており、傑作デザインだと思う。少女をいたぶる感じといい、監督のエログロ趣味が凝縮されていると思う。とはいえ、ファンタジーシーンが救いになっているかというとそうでもなく、個人的にはどっちも辛いように感じた。追い詰められた人間の心理が良く出ている。

どちらのパートも緊迫感のある展開で、色んな意味で残酷だ。こんなもの、ナルニア国を期待していた小学生が観たら一生トラウマになりそうだ。ただ、大人の目からは深いテーマが描かれており、ちゃんと救いもある(見方によっては)。公式ページにあるクリーチャーのデザインに少しでも惹かれたなら、見て損はない映画だと思う。
(KIURA)

「パンズ・ラビリンス」公式ページ

評価点:65点
詳しくは書かないが、ノコギリシーンは、あのタメがだめだ。わざとやってるな。冒頭からすでに痛いので、そこで嫌な予感がしたら見るのをやめてください。

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セオリーを少し外した映画手法

アカデミー受賞者であるハル・バリーとベニチオ・デル・トロが競演している。相変わらず神懸かりなプロポーションのハル・ベリーは今作も随所にそれを披露している・・・しかし綺麗な体してるわ〜、おまけに芝居もうまいし。デル・トロは相変わらず南米のニオイをまき散らして重厚な存在感がある、今回は麻薬中毒者という役を見事に演じていた。

この映画は人間ドラマを撮る映画にしては少し複雑な構成・撮影・編集がなされている。前半にハル・ベリーのダンナが殺されてからの状況が回想シーンとして映されるが、この過去の遡り方が段階的なタイムラグでは無くて、登場人物の頭の中でバラバラな時系列で回想していくのだ。一見、破綻しそうな手法なのだがこの映画にとっては上手くいっていると感じた。また、目・唇・指などのズーム・カットの連続が結構多くて、これもセオリーから外れているのだが効果を上げている。また動作の途中を数カットだけ抜いて繋いだシーンもあったが、それも印象に残っている。

唯一言えるのはこれら一連の実験的な手法が成功する条件は役者のレベルが非常に高い事が挙げられると思う。やはりハル・ベリーやデル・トロは相当に上手い、周りの役者も子役達も普通以上に上手いのである。これが映画の全体的な厚みに代わりスクリーンに力が溢れると思った。それに比べて日本映画の軽いこと、軽いこと。

<GOOD POINT>
1.ハル・ベリーとデル・トロが全く結びつかなかったのが映画としてのトーンを決定したと思う。普通は未亡人になったハル・ベリーがデル・トロと出会った時点で展開が読めそうなものだが、ショックから立ち直れない女と麻薬から抜けきれない男の奇妙なつながりに焦点を充てた事で「そんなに人間って単純じゃないぜ」というメッセージを感じさせた。

2.良い映画はカメラも照明も音楽も意識させない事だと良く言われている、スクリーンの中に生きる人々にただ集中できる映画が素晴らしい映画だと。この映画は色々と凝った事をやりつつも、人々に集中できる珍しい映画だ。

<BAD POINT>
1.主人を失った悲しみだけで自暴自棄になって勝手な行動にでるハル・ベリーに感情移入が薄い。綺麗すぎて頭も切れるので終盤は「いいよな美人は」なんてやっかみ精神も若干出て来た。やはり完璧すぎる人間というものに欠点を与えることで魅力が加わると思う・・・しかし今回の話ではこれがギリギリかもしれない。

2.子供がどちらかというとデル・トロに似ているのがちょっと気になった。観た人しか分かりませんが。
(IE5)

悲しみが乾くまで - goo 映画
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