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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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この緊張感の高さについてこれるか?

前に批評した作品で書いた「マグノリア方式」、点が線に見た目はなっているが中身は全く薄っぺらいという法則だったのだが、この映画は目指す方向は同じでも作品の出来は月とスッポン・・・とにかく素晴らしい作品である。なぜ目指す方法が同じながらこんなに面白いのか?それは構成の立て方を少し変えた事が全てであろう。先に書いたように、マグノリアは点(各登場人物のエピソード)が線(実は同じ世界のなかでの出来事)という形なのだが、バンテージ・ポイントは1つ点から8つの線そして1つ点へという構成なのである。

これは観ないと上手く伝わらないのだが、最初から最後までとにかく緊張感の連続である。一つの事件が解決するまで実際には30分の話しなのであるが、それが様々な視点から描かれる事がこんなにも効果をあげるものかと新たな発見もあった。とにかく観て欲しい一本、いや〜まだまだハリウッドの力は侮れない。

<GOOD POINT>
1.緊張感を高めるために、手ぶれカメラと固定カメラのバランスを7:3ぐらいにしている。問題はその編集である、同じシチュエーションを違う10の視点から描いているのだが、どう見ても1発どりしたフィルムを繋いでいるようにしか見えない。でも事実上、それは不可能なハズ・・・ということは編集で上手く繋げているとしか考えられないのである・・・とすればこの編集は驚異的な仕事をしている。(このコメントは観ないと伝わらないと思います・・・スミマセン)

2.カーチェイスが素晴らしい!カーチェイスの撮影はかなりやり尽くされているアクションで、そんじょそこらのカーチェイスでは観客はなかなか興奮してくれない、しかしこの作品は凄い、アイデアの塊のようなカーチェイスである。カメラワークも素晴らしいのだが、走るルートとかクライシスの入れ方とか本当に練られていて興奮した。まだまだ人間はCGに頼らなくてもこれだけの物が撮れるんだと勇気を与えてもらった。

<BAD POINT>
1.この映画はクライマックス終盤まで95点くらいあったのだが、クライマックス最後の最後で少女が道路に飛び出しすシーンがご都合的な展開と感じてしまった為にマイナスとさせてもらった。そこを覗けば本当に良く練られた構成だったのに残念だ。
(IE5)

バンテージ・ポイント - goo 映画
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競馬はサラブレットだけでは無い!

俺は大学時代に競馬を覚えた。キッカケはバイト仲間に競馬ジャンキーが数名いたことだ。その時に、そのジャンキーの一人が競馬新聞にあるサラ2歳のサラはサラブレットの事だが、サラブレッド以外にアラブ馬の存在があるということを教えてくれた。まぁ今の中央競馬界はサラブレッドしか走っていないハズなのでアラブ馬は見ることはできないが、この映画の舞台となるのが、そのアラブ馬のレース、北海道・ばんえい競馬なのである。

このばんえい競馬は運営危機で、存続が危ぶまれていたがソフトバンク系列の会社が手を差し伸べて首の皮一枚で繋がったというニュースは記憶に新しい。ばんえい競馬のルールは1トン前後もある大きな馬が騎手が乗るソリを引っ張りながら早さを競うもので、途中にあるこぶ山をどう攻略するかが勝利のカギとなる。これが映画を観ていて新鮮で迫力があり、機会があれば実際のレースも観てみたいと感じた。

日本映画ではこれといった本格競馬映画はないのだが、この作品は人間ドラマ中心の物語の中に時折その魅力を織り交ぜている。海外映画は「シービスケット」が記憶に新しいが、個人的にはキューブリックの「現金に体を張れ」がミステリーながらお気に入りである。

とにかく馬は映画にとって欠かせない動物なのだということは間違いない。


<GOOD POINT>
1.ばんえい競馬と共に生きる人達の生活ぶりや迫力のレースを楽しもう。ちなみにJRAは映画撮影は一切禁止していたハズ・・・ここに経営的な優劣の差を感じるが、本格的なレース中心の話しを作るならやはりJRAを口説き落とさないといけないだろう。

2.吹石一恵が頑張っている。美人女優という看板は一切降ろして、女性騎手として泥にまみれながら手綱を引っ張って1000キロある馬と格闘している姿は心を打たれた。


<BAD POINT>
1.主人公(伊勢谷祐介)の立ち位置が主人公にしては薄いかなと感じた。自身の会社が倒産して東京から調教師の兄の所に帰ったのは絶対に金の無心と思うのだが、「そういうつもりじゃないから」「ちょっと久しぶりに帰りたくなって」とかなんか煮え切らない。まぁ今の若いものはこういうもんかもしれないが、脇役の方が印象に残るのは確かだ。
(IE5)

雪に願うこと - goo 映画

俺が競馬を始めた頃のJRAのCM、懐かしい!

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大阪のテイストを狙う映画はバランスが大事

「かぞくのひけつ」は2006年度の監督映画協会新人賞を受賞した作品。つまり2006年に封切りされた映画なのだが、封切った映画館が大阪・十三の第七藝術劇場。東京の公開は2007年末、俺が観たのは今年に入ってからだった。そう!もうお分かりの通り、この映画は200%の大阪映画である。舞台は十三、役者もほぼ100%関西人を揃え、元・吉本の超カルト芸人だった大空テント(いまの芸名はテントのみ)を起用している時点で関西人には「おおっ」という声が上がるかもしれない。何せこの映画を監督した小林聖太郎は、あの上岡龍太郎の息子なのである。いやはや納得せざるを得ない。

ちなみに、小林監督はお笑いの道をかじっていたかは不明だが助監督としてのキャリアを充分に積んだ人物である。親の七光りなど微塵も感じさせない生き方は素晴らしい。で、肝心の映画であるが初監督作品らしいパワーとテンションの力業として成立している。やはり大きいのは関西弁になにも違和感が無いこと、これが本当に素晴らしい。大阪に限らず地方ものの映画を撮る時は、当然方言指導者がスタッフとして入るのだが、やはりそこで育った人間の方がイントネーションやテンポ、息継ぎからジェスチャーまで上なのである。この関西人で主役から脇役まで固めるという手法は是非とも参考にしたいキャスティング方法である。

<GOOD POINT>
1.いかにもコテコテの関西という演出を一切していないのが良かった。「探偵ナイトスクープ」の影響なのか、何かを勘違いしているのか、大阪人を異星人扱いしている映画まであるんだからどうしよもない。大阪人も人間ですよ。話はそれたが、小林監督は大阪人の機微という物をしっかり持っている演出だと感じた。これは大事な事です。

2.谷村美月という女優に注目した。おそらく、いや絶対にまだ10代だろうが、未来の演技派女優の可能性をみた。なんというか顔で押すという美人タイプではないのだが、色んな女を演じれそうな顔なのである。まぁ、既に色々と映画も出ているのだが、今後もチェックしてみたい。

<BAD POINT>
1.テントと主人公がクスリのネタで絡むシーンがあるのだが、ここだけ滅茶苦茶にくどい!やはり初監督として遠慮したのか、テントの暴走を食い止められなかったのか、残念である。ここから急にテンションが落ちてしまった事が悔やまれる。

追記:ちなみにテントの歌う「生駒山」という歌を聞いたことがあるが完全な迷曲である。機会があればもう一度、聴いてみたい。

(IE5)

かぞくのひけつ - goo 映画

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これが本当の芸術家というものか!

まずタイトルを確認していただきたい「わたし大好き」である。このおばちゃん・・・いえ、草間彌生という自称・前衛芸術家という人物は日本が代表する世界規格の芸術家である。映画でも紹介されているが、絵画からオブジェまで創る物の殆どが水玉模様なのである。まぁはっきりいって彼女の芸術の良さは分からないというのが正直だが、この映画が伝えるのは「草間彌生って本当に自分が大好きなんですね」という一点である。

まぁこのおばさんは、自分を褒めまくる、自分の作品に心酔していまう、「私って天才」とか「この作品、涙がでちゃう」みたいなセリフはバンバン出て来る。こう書くと只のイヤミなおばさんで終わってしまうのだが、最初から最後まで会場は爆笑の渦だった。おそらく一つの要因は監督が常識外れの質問を連発することだ、見ているこっちがハラハラするほどに爆弾クエスチョンを連発する。普通なら怒るだろ!と思う質問も感覚がズレにズレているおばさんには普通の会話に聞こえるようだ。逆に気を遣った質問に切れることが多い。

ここまで書いてもこの映画の魅力は半分も伝わらないだろう。やはりドキュメンタリー映画は水物。実際に見ていただいて体感していただきたい。全く泣けないが、笑えます。

<GOOD POINT>
1.もう上記に書き尽くしたが、この変なおばさんを堪能して欲しい。それだけです。

<BAD POPINT>
1.草間彌生はどうやら幼いときから精神的な病に冒されているみたいなのだが、映画の中ではホントに数秒だけそれが分かるのみ。やはりここも盛り込んで欲しかった、もしかしたら人間的な一面が感じ取れる箇所だったかもしれない。何度も言うが、やはりマイナス面は必要なのである。
(IE5)

≒草間彌生〜わたし大好き〜 - goo 映画
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こんなパワフルな天才カメラマンがオカンなんて・・・

アニー・リーボヴィッツと聞いてピンと来る人はセレブ通が多いのではないか?俺はこの映画まで、この人の名前は知らなかったが写真を見たら「ああ、これ撮ってた人なんや」という感じだった。それほどまでにセレブ級の有名人の写真を沢山撮っている、映画・音楽・政治・文化、すべてのジャンルにおいて時の人と呼ばれた人物は殆ど収めているのではないだろうか?

なぜアニーはそれほど多くのセレブの写真がとれるのか?それは向こうからアニーに依頼が来るから、もしくはアニーが依頼すると100%(少なくとも映画の中では)OKなのである。年中、世界を股に掛けて動き回っているのに、実は小さい子供(養子?)がいて立派に母親もこなしているのである。このバイタリティ溢れるオカンの凄さがフィルムに刻まれている。

先ほどから連発しているセレブであるが、別にアニーはセレブが撮りたい訳ではない。現に紛争地域の写真も撮っている、逆に目指しているのはそういった写真の精神である。しかし、アニーの写真技術と独創性はセレブな現場、つまり金がかかれば掛かるほどにその力が発揮できるのである。これは映画で確認してもらうか、写真集を買っていただくしかないが、本当に感動的な写真である。こんな写真を見たら、誰でも一度は撮って欲しくなるって言うものだ。アンリ・カルティエ・ブレッソンに影響を受けたと語っているが、なるほど構成力は群を抜いている。

とにかく人物の魅力だけで持つ貴重なドキュメンタリーであることは間違いない。


<GOOD POINT>
1.上記でも書いたが、その写真の素晴らしさである。これは本当に確認してもらいたい。ちなみに写真集を買いたいと思ったが、あまりの値段に諦めました。

2.アニーのヤク中だった時代(60年代後半)の話は傑作である。気付いたら事務所全員がヤクをやっていた・・・ってどんな会社や!その影響であんな写真がとれるのか?とも思ったのは俺だけではないハズ。

<BAD POINT>
1.監督をアニーの妹(バーバラ・リーボヴィッツ)が担当しているからか、アニーの良いところは沢山知る事ができるのだが、悪い所や欠点が全然描かれていない。これはドキュメンタリーとしては魅力が損なわれる。面が有り裏があるのが人間である、エンドロールでやたらとダメ出しするアニーが少し描かれていたが、あれこそが魔性の姿の片鱗だろう。次回作はないと思うが、何かの機会があれば見てみたい。
(IE5)

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 - goo 映画
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