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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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ただの草野球がこんなに面白い

野球というスポーツは恐らく映画で描かれるスポーツとしては最多と思われる。人気スポーツという裏付けもあるのだが、映像として描きやすいという事もあるだろう。一番描きやすい理由と思われるのが、試合の中で会話ができたり多くの選手が出せるので飽きさせなく見せやすいし選手と監督の関係あるいは観客にいる恋人や両親など色々なパターンで対立や葛藤が描きやすいと思うのだ。

だが手が付けやすい題材には落とし穴も沢山ある。登場人物が自然と多くなる為に、それぞれのキャラクター設定が掘り下げられていないとかカメラアングルだけやたらとこだわって中身がスカスカな作品とか結構多い。どんなスポーツ映画もそうだが迫力は本物には勝てないものだ、臨場感を追い求めるなら客は映画館ではなく球場へ足を運ぶハズである。野球映画として求められているのは結局野球を通した人間ドラマなので(これはスポーツ映画全般に言えることだが)、そこをおろそかにしては元も子もないのである。

そう言う意味では「がんばれ!ベアーズ」は良くできた作品だ、なんといってもガキどもの草野球が題材なので「メジャーリーグ」と比べてスケールはとても小さい。しかしながら、その世界で頑張っている子供達のドラマは最後まで目が離せないのだ。アル中の監督率いる弱小球団という設定は、それ以降の様々なスポーツものに扱われたパターンだがやはりウォルター・マッソーが演じるモリス・バターメーカー監督のダメぶりは愛嬌もたっぷりで最高である。このユニークなキャラクターと、テイタム・オニールが演じた天才的な助っ人女ピッチャー(アマンダ)というアイデアでかなり物語を面白くしている。

<GOOD POINT>
1.脚本のお手本みたいな設定づくりで、選手も監督もチームの立場も全てダメという所からスタートして最後は全てをひっくり返してハッピーエンドとなっている(優勝は逃してしまう点も個人的には好きな展開)。描き方もとても自然で突拍子も無く感じさせない所が良い。選手はそれぞれ問題(人間関係も含めて)を抱えてるのだが「そうだよな、子供は子供の悩みがあるもんな」と思わせてくれるのである。

2.試合でピッチャーがキャッチャーに投げ込むカメラは工夫されている、アマンダという少女がバッタバッタと投げ込みアウトを重ねて行くのだが、所詮は女の子が投げる球なので実際には球速に限界があるはずなのだが、カメラを若干ローアングルに構えて恐らくマウンドとバッターボックスの距離を縮めて撮っているんじゃないのかと思うのだが、ホントに迫力のある球がミットに投げ込まれているのが驚きだ。良く投げた瞬間のカットとミットにボールが入るカットを繋ぐ方法で速球を見せるやり方があるが、この映画は一切やらずに一連の動きを連続して撮ることでリアリティを出している。しかしアマンダは少女ながら色気もあって憎い女だ。

<BAD POINT>
1.どうも観客の大人のやり取りが蛇足。まぁ自分の子供が可愛いのはよく分かるのだが、「もっと大人になりなさいよ」という位にみんな自己中心的な考え。でも実際の親はこんな感じなのかもしれないなぁ・・・。
(IE5)


がんばれ!ベアーズ(1976) - goo 映画
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期待したほど壮大な仕事では無かった

主役のマイケル・クレイトンを務めたジョージ・クルーニーという役者は未だに掴めない。渋いとは思うがカッコイイまではいかず、演技も悪くないのだが上手いとは思わずといった所だ。しかしながら作品には沢山出ている、いまや押しも押されぬハリウッドのスターであることは間違いない。

予告編はかなりの出来だったこの作品、「なにやらフィクサーっていう裏の仕事があるらしい・・・ふむふむ伏線も沢山張ってそうで面白そう」と期待感が高すぎたのか、どうも最後まで乗り切らずに終わってしまった。そもそも予告編ほど壮大な仕事でもなかったのが一番の原因か?この映画の中で言われるフィクサーとはもみ消し屋の事だが、いわゆる表に出せない会社の裏事情を上手く処理するという日本で言う所の「○○君、アトはうまく処理しといて」と言われる様な雑務(規模は大きいが)を金で請け負っている人なのである。もっと国を相手にした壮大な物語かと思っていただけに、ちょっと世界が萎んで見えるのは仕方がない。宣伝マンも焚きつけるだけが仕事じゃないぜ!その映画のホントの魅力を伝えて動員に結びつけないと。

トニー・ギルロイは初監督作品ながらしっかりした画を作っていて感心した。ただ「ボーン・アイデンティティ」シリーズで一躍名を轟かせた脚本力はこの作品では発揮されていない、むしろ少しアイデアを詰め込みすぎて消化するのが追いついていないのである。しかも規模が小さいので「拡げた風呂敷を包めない作品」というよりも「紐をグルグル巻きすぎて解くのに手間が掛かったけど出て来たのは小さな作品」という印象。これだけの演出力が証明されたので、次回作にはギルロイ渾身の脚本に期待したい。

<GOOD POINT>
1.この作品でアカデミー最優秀助演女優賞を獲得したティルダ・スウィントン(カレン・クラウダー役)、個人的には「オルランド」の彼女の美しさと妖しさに脳までやられてしまった経験があるのだが流石の演技だった。話は逸れるが、この「オルランド」に出会って映画の美的感覚が身についたと確信している。たしか19か20歳くらいだったろうか?エンターテイメントとは違う魅力を見せてくれた意味においてもティルダ・スウィントンは女神のような存在だ。もう47歳になってしまったが・・・。

2.ラストの3分だけは緊迫感があって面白かった。ジョージ・クルーニーも最後だけはカッコイイと思わせる演技。もっとこのテンションを早い段階で少しでも小出しに出来ていれば評価も上がったのだが。いかんせん萎えきったあとの・・・である。


<BAD POINT>
1.なんにせよストーリーが動くのが遅い、いわゆる伏線というのを張り巡らそうとしすぎているのだ。でも元々そんなに規模がでかい話しでもないだけに、身の丈に合わない伏線はもどかしいだけであって早く先に進んでくれと思った観客は多いだろう。

2.アーサー・イーデンス弁護士(トム・ウィルキンソン)のキャラクターが映画を複雑にしすぎている。この映画のキーパーソンでありながら、常軌を逸しすぎるキャラクターに当初は「なんなんだ、コイツは?」と若干の嫌悪感を覚えながら観ていた。物語的にはもっと善人として扱うべき存在だ、もう少し扱いようがあったのではないだろうか?

3.最初と最後の丘のシーンって意味が良く分からないんだが?しかもなんであんな辺鄙なところに車を走らせたんだ?ただマイケルがご都合的に危機を脱したようにしか見えなかった。本当にそれだけの意味だったらこの点数より更に大幅マイナスなのだが、ギルロイに限ってそれはないと判断しました・・・しかし、いま思い出しても意味が全く分からん。
(IE5)

フィクサー - goo 映画
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最近では珍しく安心してファミリーで楽しめる映画

暴力描写の無い祭典として開催されたモナコ映画祭で4冠(最優秀作品賞・最優秀男優賞・最優秀女優賞・最優秀脚本賞)を獲得した作品、モナコ映画祭というのは初めて聞くが、ある意味で表現方法に規制が無い映画においてその趣旨は分からないでもない。ということで暴力描写も性描写も一切無いタイトル通りの直球映画であり、かつ水準も悪くないという最近では珍しくなった家族みんなで楽しめる作品である。

予備校のカリスマ教師・五十嵐透(豊原功補)は、充分すぎる程に金と名誉を得てな毎日を送っていたが、ある日ガンを告知され余命1年半・・・なんて読むと全然面白くなさそうなんだが、この豊原の演じるカリスマ教師が妙にハマリ役で意外に観れてしまう。俺も一年だけ浪人して予備校に通っていたが「いた、いた、こんな高飛車な講師」と思って観ていた。しかし、あれから10年以上も経過して少子化が進んでいるにも関わらず、東大を始めとする有名大学への受験は相変わらず厳しいものらしい。

俺は根からの勉強ぎらいでアホアホ街道を驀進していたが、人生振り返って唯一勉強したなと思えるのが浪人した一年、この映画を観ているとそれをふと思い出す。「ゴールは新たなスタート」と告げた映画のメッセージが心に深く刻まれる。

<GOOD POINT>
1.監督自身が名のある受験アドバイザーと言うことで、受験に関しての設定・小道具などは完璧でありリアリティは自ずと高まっている。「ドラゴン桜」も同じと思うが、最近の受験は裏技的な要素があるらしくて「ふ〜ん」とか「へぇ」とか素直な驚きがあった。

2.受験生の真紀(寺島咲)はいかにもイモねぇちゃんだが、これが芝居でイモっているのか素なのかは分からない。エンドロールで東大生になった時の変なデビューっぷりも含めて芝居であるなら相当な実力者と思うのだが、今後の出演作も観てみたい。

<BAD POINT>
1.浅田美代子が演じる母親はあまりにも救いが無さ過ぎないか?この母親と住んでいたら絶対に真紀はぐれるハズだが、そこらにいる子供よりも人間ができているので設定に無理を感じた。まぁ、そこを突っ込んでしまったら元も子もないのでスルーしたのだが。

2.クライマックス付近で受験を終えた真紀が病室の五十嵐を訪ねるシーンが2回重なるのだが、ここはどう考えても1回でしょう。つまり受験を終えたシーンは病院につなげずに、受験発表の部分だけで押すと感動はかなり高まったハズ。更に劇中では受験発表後の病院シーンが回想で語られていたために余計に感動は薄まっていた・・・惜しすぎる。

3.清水圭の役っていうのが、かつて一緒に塾を開いた仲間と思うのだが。ワンポイントしかでてこないので殆ど印象に残らず、ストーリー的には分かりづらさだけ残している。いっその事、予備校にいた講師仲間(六角精児)をその役にもっていった方が分かりやすい。借金取り(モロ師岡)も同じくワンポイントで必要性を感じない。
(IE5)

受験のシンデレラ - goo 映画
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あの名作マンガの原点はここにあった!

監督のビリー・ワイルダーは何でも無いような日常をとてもドラマティックに仕上げる天才であると思っている、名作も多いのでまたコツコツと紹介していきたいが今回はこの作品。

家庭を一番に考え浮気などもってほかと考える夫・リチャード(トム・イーウェル)が夏休みの休暇で妻子がバカンスに出かけて一人で過ごしている所に美人女優(マリリン・モンロー)が現れてさあどうする?という話しだが、やはりワイルダーなかなか演出が上手い。妄想癖が強く現実と妄想の狭間で苦しむリチャードは馬鹿馬鹿しいが笑える・・・これどっかで観たことなかったか?そう青春漫画の金字塔、高橋留美子の「めぞん一刻」に登場する五代君である。五代君も最大限の妄想で管理人・音無響子とのラブロマンスを駆り立てていたが、それが結構笑えるのだ。

観た人も多いと思うが「めぞん一刻」は映画化とドラマ化がされているがどちらもファンとしては非常につらい出来映えだった。高橋留美子が「七年目の浮気」に影響を受けたかどうかは分からないが、次に実写化する場合は是非この作品を参考にして欲しいと願う。

<GOOD POINT>
1.コメディ映画なので浮気というシチュエーションを非常にライトに演出しているのだが、ラストでモンローに口づけをされるシーンで、「口紅を吹いてはダメ・・・」という部分のセリフは非常に上手い。リチャードは男としての自信を持ち、浮気はダメだけどこういう浮気ならいいかもと性別問わず思わせる事がこの一言で表されたと感じた。決めゼリフってなかなか決まらないんだけど。

2.この作品のマリリン・モンローはちょっとアホっぽくて可愛い所が良い。有名な地下鉄の風でスカートを押さえる所なんか本当にアホっぽいのだが、女の子ってこういうタイプが結構男性の心をくすぐるという事をワイルダーって絶対に知っていると思う。

<BAD POINT>
1.どうって事はないんだが、登場するのが殆どリチャードとモンローだけでシーンもリチャードの家が大半なので説明ゼリフばっかり、まぁコメディなので許せるのだが。モンローが出て来るまでの序盤が少し退屈なくらい。
(IE5)

七年目の浮気(1955) - goo 映画
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凄い映像技術だが全くそれを感じさせない映画

鑑賞後に思い浮かんだのは「これは『ジャンパー』のインディーズ版だな」というもの。なんか特殊能力を使う映像は凄いんだけども、それに馴れてしまうと大した話しでも無いので退屈・・・みたいな感じである。ただジャンパーの主人公よりもこっちの方が全然しっかりした人間であるが。

とはいえ、時間を止めることの出来る主人公がその力を使った時の画はどういう風に撮っているのか分からない。おそらく役者が我慢して固まっているのだと思うのだが、全く微動だにしない所もあるので「?」と終始唸っていた。おそらく合成も使っているんだろうが・・・これだけの技術をこういう低予算的な映画に使えるというのが面白い効果を挙げている事は確かだった。

この映画で描かれるスーパーマーケットの夜勤状況は若者達の遊び場だった、もう10年ほど前になるが俺もコンビニで夜勤のバイトをしていたときは完全に遊んでいる感じだった(勿論、決められた事はこなしているので悪しからず)。そう思うと日本も世界もあんまりやってる事は変わらないなと少し懐かしく思った。


<GOOD POINT>
1.パーティーに行く時にバイト仲間がそれぞれの家で準備する様子が軽快な音楽に乗せて描かれるシーンがとても個性が出ていて良かった、こういうシーンはとても勉強になる。仕事に運が向いてきて自信を取り戻しかけた男、好きな人に最高な姿で会いたいと服を何度も着替える女、女とやることしか考えていない友人、などなど性格描写を描くにはとても良い方法だと感じた。

2.ラストでストップした雪の世界へ飛び出したときに、雪を通過した跡が人型にかたどられていたが、とても細かなアイデアながら素晴らしい効果を出しており感心させられた。とても幻想的な青いライティングも素晴らしくクライマックスを盛り上げていた。

3.劇中に沢山の女優が裸で登場してくるが、主人公が子供の時に衝撃を受けたという女性のボディはえらいことになっていた、階段を上がる背中から左右に乳がはみ出しているので「こりゃ只の肥満体型じゃないの?」と思って観ていたら、振り返るとその完璧さに「OH! MY GOD!」である。そりゃ、影響受けるぜと納得するボディだった・・・世界は広い!

<BAD POINT>
1.恋人に振られ不眠症になったというだけで「世界が止められる力」を持つ主人公・・・まぁこれが映画のキモだから、そんなのあり得ないと言うのはナンセンスかもしれない。しかし、自分以外にもこの力を使える男が出て来たが、アイツは一体なんだったんだ?という疑問は最後まで解決されなかった。

2.クライマックス前に主人公とヒロインが喫茶店で延々と喋るシーンがあるが、これは一工夫欲しい所。どれだけセリフが良くても、あれだけ同じシーンでカットバックが繰り返されるとテンションが落ちてきてセリフは右から左である。
(IE5)

フローズン・タイム - goo 映画


当時はこの曲を聴きながら朝を迎えてたわ・・・。
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