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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1221653250" は壊れているため、表示できませんでした。  83点


押井守が初めて挑んだ恋愛映画

考えてみればジャパニメーションの先駆者である名だたるアニメーターの平均年齢は確実に高まっている。宮﨑駿は67歳、押井守は57歳、大友克洋は54歳、庵野秀明は48歳、宮崎駿はことあるごとに「アニメーションは末期状態」と吠えているが、押井守も若いアニメーターに良い人材は見つからないと憂いている。まぁ、アニメーション自体の量は増えているのだが、押井守は「映画という媒体で観客を満足させて尚かつ挑戦する姿勢を崩さないアニメーションを作れる人間」を指している。

そう考えてみると、なかなか若手で浮かんでこない。どうやら現在、テレビで流れているアニメの行程作業は分業化されてその8割は海外で作られているらしく、韓国や中国で大量にいる作業者がせっせと指示通りに手を動かして完成させているらしい。確かに仕上がりは早く、見た目に大きなアラは無いらしいのだが、分業化された代償として日本のアニメーターを育てる環境を奪っていまったらしい。そういう意味では今が日本のアニメーションが隆盛している最後の時期なのかもしれない。


そういう中で押井守が制作した今回の作品「スカイ・クロラ」、原作は読んでいないが押井守はこの原作に今の若者を見たらしい。キルドレと呼ばれる若者は戦闘機に乗って死なない限りは永遠に生き続けるという設定だ。戦闘シーンが何かと話題になったのだが、俺が驚いたのはこれは押井守が初めて描く恋愛映画だったことだった。まぁ「うる星やつら ビューティフルドリーマー」があるのだが、あれは例外だ。押井守なんて恋愛から一番遠い人間と思っていたので意外だったが、なぜこの原作に興味を持ったのかは見終わったあと何となく分かった気がした。結論から言えば、押井守はまだまだ現役だということ。あと10年続くか分からないと言われている日本のアニメーションを書き続けて貰いたい。

<GOOD POINT>
1.アニメーションにしては本当にセリフが少ない映画だ。その分、微妙な仕草や動作が心理描写として描かれている。これが退屈となるか味があるかで作品の評価が分かれるのだが俺は後者を取った。まずこんなアニメは観たことがなかったということと、一度この緩やかなリズムに身を委ねてみると心地よいのだ。音楽も極力省いているので、生活の音が主軸となるのだが、ここで俺なりに押井のメッセージを「余りにも生きることに希望がないキルドレ達からはその音すらも聞こえてこないのだ」・・・という風に捉えたのだが。

2.話題の空中戦はやはり素晴らしい出来だ、これも今まで観たことが無い画だった。CGの機体に搭乗員だけ画なのだが、なんと言ったらいいのか・・・不思議とCGで描かれたハズの機体がアニメーションに見えるだ。バトルの戦闘機の動きはもの凄くゲーム的で一瞬映画としてどうなのか?と感じたのだが、考えてみるとキルドレの戦闘こそが世界中が楽しむゲームなので当然ということに気が付いた。

<BAD POINT>
1.ここまで書いてBADにするのも何なのだが、「キルドレが戦うことによって全世界の平和が保たれている」という設定自体には疑問符が残る。実際に死ぬというゲームに荷担して楽しむのはカイジに出て来る富豪みたいな連中だけだろう?と思うのが普通なのだが、この映画の中では老若男女が誰も疑問を持たずにキルドレの戦闘に酔いしれて、その結果なのかどうなのか世界で戦争は起きていないのだ。やはり無理があると言えるのではないだろうか?

2.声優陣のレベルの差が大きすぎる。明らかに下手なのが草薙水素を演じた菊地凛子、ヒロインなのに恐ろしいほどの棒読みと滑舌の悪さである・・・途中から「これはこれでいいかも」と思える人もいたらしのだが残念ながら個人的にはそうならなかった。函南優一の加瀬亮、土岐野尚史の谷原章介、三ツ矢碧の栗山千明など他のキルドレが違和感がなかったぶん(谷原章介は本当に上手いと思った)余計に気になってしまった。

3.エンドロールの後に1分ほど物語が続くのだが。これがかなり重要なだけに、この構成は疑問が残る。俺の前に座るお客さんはエンドロールが上がると同時に帰ってしまったので、映画の全貌を捉えてはいないことになるのではないだろうか?ベネチア映画祭でも最後まで観ずに帰った客が結構いたらしい・・・作った者にとっては不本意な事に違いない。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers - goo 映画

次回も挑戦的に行って欲しいです

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