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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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ponyo_02.jpg才能は暴走し始めている

遅ればせながらポニョの感想を。
宮崎監督は「もののけ姫」ぐらいから、動画を作る能力はピークのままだが、ストーリーを作る能力が減退しているという気がしていた。何というか個々の場面の面白さが、全体の流れになっていない感じである。あえてそうしているのかも知れないが、「面白いイメージの動画」の連続であって「面白いお話」ではない気がする。ポニョはまさにそれだと思う。

ただ、凡百の監督と違って、アニメ動画を作り出すパワーが並外れている(あるいは自然にやっていることがことごとく日本人の感性に合う)ので、つまらなくはない。監督としての先鋭さ、みたいなものも無くしていない気がするが、まだ「受けたい」という監督の欲求があったであろうトトロ辺りと違い、「もうどうなってもいい。わしはやりたいことをやるもんね」的なメッセージが感じられる。あるいは、娯楽を全て捨てたのにそれでも娯楽映画として成立しているというか。

上手く言えないが、何もかもがぐにゃぐにゃなのである。絵も物語もキャラクター造形も凄く不定形で、どう感情移入したらいいのか分からない。ポニョをかわいいと思えばいいのか、ナウシカ風の若い母親に萌えればいいのか、奇怪な世界観に酔えばいいのか、しかし、そのどれもが変に調和しているので、定まった印象がない。結果、あの歌だけが脳裏に焼きついて終わり、的な後味になっているのではないだろうか。

非常に才能のある人間が、やりたいことを全部やってしまって、さらに過去の模倣を拒否したらどうなるか? という行動の結果にも思える。作品にある種の凄みは感じるが、「未来少年コナン」の頃の健やかな感じがあまりない。これは才能の暴走の始まりか。監督にはお疲れ様といいたいが、まだ、本格的に壊れちゃいない。次があるなら、見た人間が過去の宮崎駿の偉業をすべて忘れるくらいの奇怪な作品を見てみたいと少しだけ思った。

(KIURA)
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