乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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神懸かり的な濃淡の奇跡がここに結集!
日本を代表する画家、東山魁夷の生誕100年を記念する企画だけあって古今東西の傑作が集められていた。魁夷の画で一番凄いと感じるのは濃淡の味わい深さ、分かりやすく言えば湿気の多い地域で見られる現象・・・朝靄や夕霞、霧やおぼろなどを非常に繊細に美しく描かれているのである。実際の目で見るとその繊細さは感動の一言である。個人的には「冬華」の極寒に浮かぶ月の光に神懸かり的なものを感じた。
また水面に景色を反射させて魁夷独特の世界を作り上げている作品にも惹かれるものが多かった、代表作「緑響く」も当然素敵なのだが「静唱」に写る木が水面の為に微妙に揺れているのである。このコントラストの付け方にも感銘を受けた。購入した図録に画を制作中の魁夷の写真が写っているが、帽子の雪を落とすこともせずに一心不乱に書いている様子が感じられた。
最後のコーナーで唐招提寺の襖に描いた壮大な画を見ることができるが「濤声」に描かれた海の色の鮮やかさは言葉に言い表せない位の鮮やかさだ。もし機会があれば是非見てほしい作品だ。
(IE5)
東京はもう終わってしまうのが残念だが、作品は全国で見れるようだ。
生誕100年 東山魁夷展 公式ページ
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