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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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kakushi.jpg意外にコミカルな生粋の娯楽映画

黒澤明監督の不朽の名作と聞いていたが、今回初めて観た。もちろん、最近リメイクされたので興味が湧いたというのもある。完全ネタバレで感想を書くので未観の方は注意を。

物語の基本プロットは、お家再興を目指してお姫様(雪姫=上原美佐)とその忠臣(真壁六郎太=三船敏郎)、百姓の二人(太平=千秋実、又七=藤原釜足)が軍資金を抱えて敵陣を突破する。 実にきっぱりとした内容で、次から次に陥るピンチを潜り抜けていくのが見所だ。

まず、感じたのは人物の描写にたっぷり時間をかけていること。最近の映画を見慣れた目からすると、少々スローに感じたが、それがちゃんと後半に生きてくるのはさすが。特に百姓の二人は、善人キャラになりきれずにストーリーをかき回すのでハラハラする。この二人を「頂きたい」と思わせるだけの魅力がある。他のキャラも過不足なく描かれる。最初から最後まで美人に見えない姫だが、ラスト付近で歌を歌うシーンは、説得力があり、なかなかジーンと来た。最後に二人に「さらばじゃ」というのも良い。

殺陣のシーンや祭りのシーンなど、単純に映画として変化に富んでいて面白い。IE5が「映画には意外性が必要」と言っていたが、大筋は決まっているのに、予想外に転がるシーンが多くて楽しめた。例を挙げると、侍に馬を取られる(断れずに売る)→姫が娘を助ける→馬がなくなって難儀する→そのお陰で風体が変わって難を逃れる→と思ったら、すぐにばれる→見せ場の馬上殺陣→槍対決と、「こうなるだろう」という方向に行かない。すぐに裏切ろうとする太平と又七の二人も素敵だ。

ただ、古い映画をVHSで観たので台詞が聞き取りにくかったり、暗くて細部が分からなかったシーンもある。これに関しては、全く同じ映像を高解像度で見たいと思った。また、敵が間近に迫っているようで、案外のんびりしていたりと不思議に思うシーンもある。

全体的には役者の存在感にも支えられ、風格のある映画だと思った。ラストも、もっと下品に盛り上げられたはずだが、あれぐらいで止めたお陰で余韻があるのだろう。映画のラストがドカーン、バキューンばかりでは能がないというのがよく分かる。黒澤作品と相性があまりよくない俺でも、もう一度観たいと思える作品だった。

評価点:85点
音楽も意外にはまっていた。祭りのシーンは姫ではなくても、楽しいと思われる。笑えるシーンが案外多くて、娯楽には笑いが不可欠だと感じた。

(リメイクに関して一言)
リメイクを観たわけではないので、ホームページと予告の印象だけで一言。まず、何でこの映画をみてラブストーリーにするのか。この映画の魅力は太平と又七の「庶民の視点」じゃないのか。観客は、あの二人に感情移入して、ハラハラしながら楽しむはず。俺は、最後に姫や六郎太が正体を明かした時に、「あ、兄貴!」とか「おしの女!」とか言うと思ったが、言わなかった。それが「ユキ、俺と逃げよう」では、流行のネット小説か昼メロじゃないか。勝手に逃げろと怒りが湧いた。
この映画は、時代背景やキャラクターのバランスも含めて、かなり考えられて作られているので、何か一つを変えると、もとの魅力が雲散霧消してしまうのは俺でも分かる。せいぜい、着弾した煙がすぐに消えるのを直すくらいでいいのだ。ガメラは元々子供向けだからあれでも全然良かったが、樋口監督のトンチンカンな「現代風アレンジ」は失敗だと思う。むしろ太平と又七と「悪人ぶり」をクローズアップすべきでは。少なくとも、あの予告を見て、改めて見たいとは思わなかった。本当に勿体ない。

(Kiura)
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