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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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ドラマでは絶対に描けないラブストーリー

ドラマと映画とは似て非となる事は語られる事が多い割に意外に気付かれていない。何が違うのと問われればシナリオ・作業工程・扱える題材・カメラアングル・編集・作品の届け方(スクリーンとブラウン管)・・・などなど数え上げたら切りがない。更に言えば、テレビドラマは放送開始のどこから観ても話が分かるようにしなければならず、放送事故を防止するために静止時間の規則やロングショットの限界点を制約されていいる。この為にドラマ出身の演出家が映画を撮ると明らかにマイナス要素を引きずっていることが多く、それが今のドラマ映画を面白くなくしている最大の原因であると感じている。

この「ヴァイブレーター」という作品を観ると、そういった映画とテレビの違いをありとあらゆる角度から感じる事ができる。映画が絶対主義とは決して思わないが、人間の心の奥に潜む生の感情を剥き出しにするにはテレビドラマのルールでは難しい事は否めなく、そこにチャレンジしようとする気概の持った人達も皆無に近い。廣木隆一監督は生の感情を剥き出しにする事ができる貴重な監督の一人であると思っている。些細な出来事という果実の皮をを実に丹念に向いていく演出を好き嫌いは別として一度体験するべきだと個人的には思っている。

<GOOD POINT>
1.低予算映画のお手本みたいな作り方。撮影の舞台となるのは、最初と最後のコンビニとトラックの中である。あとガソリンスタンドと運送先の工場などが1シーンづつあるが撮影時間や金銭的な事を考えると非常に効率が良い。脚本を担当した荒井晴彦はロマンポルノ時代から男と女を描き続けている鬼才、低予算撮影の可能性を生かしながら薄っぺらい表面だけの恋愛なんか吹っ飛ぶような深いラブストーリーを描いている。

2.長回しの撮影方法がとても生かされている。なぜ長回しという手法を取るかと問われれば答えは一つ「画の流れ(緊張感も含む)を途切れさせないため」である。この映画はセリフも自然な会話調の為にあたかも日常の一コマを切り取った感のあるシーンが続く。これは一見簡単そうに見えるが、撮影・俳優陣はとてもプレッシャーが掛かるのだ。廣木演出の良さはこういった所にも感じられる。

<BAD POINT >
1.最後まで観て心を揺さぶられている自分がいる一方で不完全燃焼の自分もいる。なぜか?主人公の早川玲(寺島しのぶ)が何者なのかという事も気になるのだがそうではなく。急にトラックに乗り込んだのに面白がって同行を許した岡部希寿(大森南朋)に理不尽さを感じた訳でもない。つまりは二人が出会って別れた事によって特に世の中も変わらなければ周囲の誰も影響を受けていないのである。あくまでも二人だけの心の変化・・・これって他の人はどう思うのだろう?

ひとつ言えることはドラマでは絶対に描くことが出来ない物語が映画では可能と言うことだ。
(IE5)

ヴァイブレータ(2003) - goo 映画
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