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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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画像ファイル "http://file.okkoto.blog.shinobi.jp/there-will-be-blood-poster.jpg" は壊れているため、表示できませんでした。  90点

圧倒的な映像美、圧倒的なダニエル・デイ=ルイス

2008年アカデミー撮影賞、主演男優賞を獲得。8部門にノミネートされ前評判では「ノーカントリー」との一騎打ちが噂されていた作品。結果的には作品賞、監督賞など4冠を持って行かれたが、評価的にはどちらも内容は素晴らしく個人的には「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の方が心に残るモノが大きかった。

ポール・トーマス・アンダーソンはもともと映像美にこだわる監督だが、この作品がスクリーンに映し出す画はどこを切り取っても一枚のポートレートになる位に素晴らしい。石油を掘る荒れ果てた荒野を人物配置と遠近感を上手く利用し、映画でしか表現できない空間の拡がりで見せている。そのなかで汗と泥にまみれながら一攫千金を夢見て大地と格闘するダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)姿にこの映画の全てが詰まっていると言えるかも知れない、冒頭15分はセリフが「金だ!」の一言だけで延々と作業しているのだが無駄なセリフは映画を邪魔するという格言を体現している素晴らしいオープニングだ。

この映画のテーマでもある「血」だが、映画の中では血縁という事を指していると感じた。家族や親類との血、イエス(つまり神との繋がりを示す)との血、血縁とは関係の無い者も含めて「繋がって生きていく」事に対して問いかけ続けている。石油で富と名声を得ていくダニエルと孤児という秘密を隠して育てていく息子のH.W(ディロン・フレイジャー)との関係をはじめ「第三の啓示教会」を名乗る新興宗教のリーダー・イーライとの繋がりたくないけど繋がらざるを得ない関係などは脚本の巧さと俳優陣の演技力の高さが光る。

<GOOD POINT>
1.映像美の中でも一番と思われるのは、掘削現場からガスが吹き出す〜石油が天に向けて噴き出す〜引火して火柱があがるという一連のシーンだ。普通ならパニックアクション的に撮影しそうなものだが、H.Wを救出するシーンさえもカメラを寄せずに殆どミドルからワイドでゆっくりとした移動で見せている。観客に野次馬的な距離感を与えて傍観者的に事件現場を見せているような感覚になるのだ。だから火柱の炎に美しさを感じるのだろう、良い勉強になる。

2.ダニエルの演技力の高さは言葉では言い表せない、とにかくその時代に生きた人間をそのまま撮影しているようにしか見えないほどに20世紀末の男というものを演じている。感心するのは汚れ方である、汗と泥にまみれてと書くと簡単だが映画の中のダニエルは本当にドロドロなのである(もちろん他の労働者も)。よく日本のドラマだと顔にメイクで泥と汗をつけているが妙な清潔感が漂うものが見受けられるが、よくあれでカメラを回すなぁと思って観ている。毛穴から吹き出ているように感じさせないと汗とはいえないし、それに混じって皮膚にべっとりつくのがススである。そういった映画ではペーターゼン監督の「Uボート」の中で働く船員たちのヌメリとした汗が大変印象的なのだが。それとはひと味違った本物の汗と泥のまみれ方を見つける事ができた。

<BAD POINT>
1.ポール・サンデーが双子の兄弟でその弟がイーライ・サンデー(どちらもポール・ダノが演じている)という設定が映画を観ているだけでは分からない。なんでダニエルに気付いていないんだ?と訝しく思った。もしかしたらポールとダニエルの会話のシーンでそれとわかるようなセリフが交わされていたのかもしれないが・・・それにしてもその後のイーライが重要人物になるので丁寧に描いても良かったと思うのだが。
(IE5)

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド - goo 映画
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