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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1207550012" は壊れているため、表示できませんでした。  36点

時代に乗りきれていない反戦映画

新藤兼人が95歳でまだ頑張っているが、商業映画を撮る監督としては山田洋次が最年長であろう。「男はつらいよ」シリーズを続けながらも合間に「家族」「幸福の黄色いハンカチ」「遙かなる山の呼び声」「息子」などの名作の数々、最近では時代劇三部作「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」が完結しまだまだ創作意欲は衰える所を知らない。山田作品は総じて人間ドラマである。スクリーンの中に喜怒哀楽を出来るだけ詰め込もうとした演出は流石であると言えるだろう。

今作は太平洋戦争中のある家族を描いているが、セット・衣装・小道具などに一つの手抜きも無く役者もベテランが要所を固めて隙が無い。特に笑福亭鶴瓶が演じる奈良のオッサンは全体的に重いトーンの中、一服の清涼剤の役目を担っており、なかなかの名演であった。しかしながら全体を通した印象はとても説教くささが残った。常に観客を意識する山田作品にしては珍しく自己主張が強く押しつけがましい。まるで戦後まもない頃に作られた映画を観ているようだった。

観客は殆どが60代以上の年配の方々で、そう言う意味では観客は久しぶりに当時を振り返るには丁度良い映画だろう。しかし若い世代にはテンポも物語の展開も今ひとつ長いと感じる。時代が戦後なら絶賛されると思われる作品だが、戦争を知らない若い世代にこそ見せるべき映画としてはテイストが違うと感じた。

<GOOD POINT>
1.鶴瓶の演技も良かったが、姉妹の姉役・志田未来もとても上手かった。今のご時世でも戦中の子供を演じれる人間はいるんだと感心した、勿論、山田演出があっての事だが。俺は未見だがドラマ「14才の母」の演技も絶賛されていた。天才子役という言葉は好きではないが、演技力はずば抜けて高い。

<BAD POINT>
1.吉永小百合の役に無理があるような・・・。こうかくと年齢的な事だけと捉えられるのだが、浅野忠信が恋い焦がれるにしては、幾らサユリストだったとしても無理がある。せめて浅野よりもう10歳老けて見える役者を起用して欲しかった。

2.ラストで現代のシーンに戻ってくるが、これが果たしているのだろうか?何か取って付けたようなセリフと芝居がとても浮いているように感じたのだが。やはり最後まで山田洋次の自己主張が気になった。
(IE5)

母べえ - goo 映画
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実は
寅さんをまともに一回も見ていない。
IE5的にはお薦め出来る感じだろうか。
しかし、良く観てるなぁ。
Kiura 2008/04/07(Mon)18:42:59 編集
オススメしたいのは
やはり第一作目だけでも観ておくといいんじゃないかなと思います。基本的に展開は同じなんだけど、この世界のツボにはまればあれよあれよと次が観たくなるんだが。まぁ47作あるので・・・。
IE5 2008/04/07(Mon)20:49:37 編集
週末にでも
そうか、やはり一作目か。
週末にでも探してみるわ。
山田作品は息子しか観ていない気もする。
しかし、踊る3製作はホンマかな。
Kiura 2008/04/08(Tue)20:53:07 編集
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