乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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70点
怖い・・・怖すぎるぞ!しかし良く解らない。
本年度のアカデミー賞、作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞の4冠を獲得した作品。兄弟監督としては史上初の栄冠に輝いたコーエン兄弟、実はハリウッドは兄弟監督が多く(ファレリー兄弟やウォシャウスキー兄弟など)評価も高い、才能が倍の効果を生むのだろうか。
さてこの映画、最初から最後まで殺人鬼を演じたハビエル・バルデムの作品である。もうとにかくこの男は怖い、殺人を犯していなくても怖い、喋っているだけで怖い、歩いているだけで怖いのである。ラテンの二枚目として人気がある俳優らしいが全くそのニオイは消されている、本人が「あの髪型だけは嫌だった」と語っていたヘアスタイルだけが唯一人間らしさを保っている。
それで全体的な評価だが、どうもラストが肩すかしを喰らったような印象だ。個人的にコーエン兄弟の作品はあまり好きなタイプでは無いのだが、その理由にストーリーに重きを置いていないと感じることが大きい。どの映画も観客の感情を高ぶらせる為にとてもレベルの高い演出がされている、その為に序盤からラストに掛けては本当に緊張感が漂うのである。しかし終わりはいつも尻切れトンボでカタルシスが発生しないのだ。コーエン兄弟の生理的な問題もあるのだろうが・・・。
しかしトミー・リー・ジョーンズは良い役者である、これ程の役者が缶コーヒーのCMに出ている事は奇跡だろう。
<GOOD POINT>
1.ハビエル・バルデムの恐怖を体感せよ。個人的には牛のイメージだが、人を殺すことに対する感情が無い殺人鬼は映画で沢山見てきたが、それよりも一段上に行ってしまった殺人鬼である・・・上手く説明できないが。
2.画の構成が素晴らしい。コーエン兄弟の映画は何が素晴らしいといえば画の構成である。どの場面を切り取っても写真集に出来てしまうほどに画作りが上手い。アップも顔だけのよりではないし、引きの画も非常に意味のある画になっているのである。気を付けて見て欲しい。
<BAD POINT>
1.とにかくラスト・・・意図的に解りにくくしているとしか思えない。でもそれが玄人の批評家たちが支持している所でもあるのだが。個人的には分からない映画でも気持ちよければOKと思っているし、そういう映画は沢山ある。
2.殺人鬼と対決する男を演じたジョシュ・ブローリンだが、金を手に入れて一旦家に帰った晩のシーンでなぜもう一度現場に行こうとしたのかが全く分からなかった。水をもっていたので、車の男を助けようとしているのは分かるのだが、動機は最後まで不明。でも現場に戻らなければ物語は始まらないのだが・・・。
(IE5)
ノーカントリー - goo 映画
怖い・・・怖すぎるぞ!しかし良く解らない。
本年度のアカデミー賞、作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞の4冠を獲得した作品。兄弟監督としては史上初の栄冠に輝いたコーエン兄弟、実はハリウッドは兄弟監督が多く(ファレリー兄弟やウォシャウスキー兄弟など)評価も高い、才能が倍の効果を生むのだろうか。
さてこの映画、最初から最後まで殺人鬼を演じたハビエル・バルデムの作品である。もうとにかくこの男は怖い、殺人を犯していなくても怖い、喋っているだけで怖い、歩いているだけで怖いのである。ラテンの二枚目として人気がある俳優らしいが全くそのニオイは消されている、本人が「あの髪型だけは嫌だった」と語っていたヘアスタイルだけが唯一人間らしさを保っている。
それで全体的な評価だが、どうもラストが肩すかしを喰らったような印象だ。個人的にコーエン兄弟の作品はあまり好きなタイプでは無いのだが、その理由にストーリーに重きを置いていないと感じることが大きい。どの映画も観客の感情を高ぶらせる為にとてもレベルの高い演出がされている、その為に序盤からラストに掛けては本当に緊張感が漂うのである。しかし終わりはいつも尻切れトンボでカタルシスが発生しないのだ。コーエン兄弟の生理的な問題もあるのだろうが・・・。
しかしトミー・リー・ジョーンズは良い役者である、これ程の役者が缶コーヒーのCMに出ている事は奇跡だろう。
<GOOD POINT>
1.ハビエル・バルデムの恐怖を体感せよ。個人的には牛のイメージだが、人を殺すことに対する感情が無い殺人鬼は映画で沢山見てきたが、それよりも一段上に行ってしまった殺人鬼である・・・上手く説明できないが。
2.画の構成が素晴らしい。コーエン兄弟の映画は何が素晴らしいといえば画の構成である。どの場面を切り取っても写真集に出来てしまうほどに画作りが上手い。アップも顔だけのよりではないし、引きの画も非常に意味のある画になっているのである。気を付けて見て欲しい。
<BAD POINT>
1.とにかくラスト・・・意図的に解りにくくしているとしか思えない。でもそれが玄人の批評家たちが支持している所でもあるのだが。個人的には分からない映画でも気持ちよければOKと思っているし、そういう映画は沢山ある。
2.殺人鬼と対決する男を演じたジョシュ・ブローリンだが、金を手に入れて一旦家に帰った晩のシーンでなぜもう一度現場に行こうとしたのかが全く分からなかった。水をもっていたので、車の男を助けようとしているのは分かるのだが、動機は最後まで不明。でも現場に戻らなければ物語は始まらないのだが・・・。
(IE5)
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