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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1210125054" は壊れているため、表示できませんでした。  86点

中つ国の壮大なる大団円

サブタイトル通り最終章「王の帰還」はアラゴルンが中心の物語だ、「二つの塔」ですでにフロド一行と共にする事が無いと分かった時点で比較的頭の中は整理されていたのですんなり観ることができる。冒頭で若かりしスメアゴルが友人と指輪を発見するくだりはオープニングとしては一番惹きつけられる、本当にこのキャラクターは人間の業を表している。VFXの技術も王の帰還はワンランクレベルが上がっているように見えるのは間違いでは無いだろう、製作は三部作連続に進行していながら違いが出て来るのだからCGの世界は正しく日進月歩である。

総評としてはこの映画はやはり原作の力が強すぎる、正しく指輪の魔力に惹かれた者たちが楽しむ作品である。逆に見ればそれだけの魅力がある原作なのだ、原作を知らない人間がどうのこうのと言った所で仕方の無い所であろう。それよりも映像化不可能という言葉を圧倒的な物量で料理したピーター・ジャクソンを賞賛に値するだろう。ただ1つ言うことがあるとすれば、ピーター・ジャクソン「見せ方」である。1作目でも書いたスピルバーグ達より1枚も2枚も落ちると書いた意味をここで説明しておきたい。

端的に言うと「意外性」という驚きはこの映画では殆ど見られなかった、つまり予定調和の世界なのだ。例を挙げるなら「王の帰還」でゴラムがフロドを洞窟に誘い込んで蜘蛛ババアに喰わせてしまおうという計画をセリフで説明してから行動を起こすというシーンである。これではそのあとの行動は予定調和に入ってしまうし、一番いただけないのはゴラムが既に裏切ってしまう事がバレているのである。これは見せ方次第では、突然の裏切りとして観客をハッとさせる事が充分にできるシチュエーションなので非常にもったいない。その他にも説明してから行動というパターンは非常に多くて、「なんで先に説明するかな〜」と嫌気が差したことも多々あった。これはおそらく原作に忠実な結果なんだと思う、実際に原作ではそういう説明セリフが書かれていたと思う・・・しかし、ここは映画の手法に沿える範囲の直しができた思うだけに「一枚落ち」とさせていただいた次第である。ファンタジーやアクションに限らず映画はアッと驚く意外性や展開に気持ちが高まっていくので、そういった意味ではもっともっといけたと思った。

<GOOD POINT>
1.これは通常版ではカットされていたらしいのだが(間違っていたらすまない)、レゴラスとギムリ(ジョン・リス・デイヴィス)が酒の強さを競うシーンは良い、「酒は友、友と酒」とは俺の言葉だが一番人間味(エルフとドワーフだが)が溢れていた。クライマックスの「友の為に死ぬのはどうだ?」というレゴラスのセリフに「友の為ならいい」と返すギムリ・・・友情って良いなぁ。

2.クライマックスの戦闘シーンでデカイ象(名前はじゅうやったかな?)が出て来た噂通り圧倒的なシーンだった。その上で操っている人がいるんだが、その御輿とのマッチングもなかなか格好良くて強くて素敵なキャラクターだ。しかし牙でまさしく人をなぎ倒している一方で、意外に脆い弱点もあって最後があっけなかったのは少し残念。しかしこのシーンを見て「スターウォーズ」の雪原で出て来る帝国群の四つ足ロボットを思い出した、やはり「指輪物語」は影響を与えていたんだな〜と。

<BAD POINT>
1.冥王サウロンの指輪を葬り平和が訪れた大団円のシーンでホビット族に敬意を表して全員が跪く所で終わって欲しかった・・・まぁ、これも原作どおりなのだろう。多くは語るまい!
(IE5)

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - goo 映画
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人それぞれ
今まで散々「原作が~」と言ってきたが、俺の本意としては別に「原作を読め! そうじゃないと本当の面白さは分からない」というつもりは全くない。あくまで「原作視点で言えば」という程度である。俺も原作があろうがなかろうが、映画になった時点でそれは映画単体で勝負すべきだと思うし、それはピージャック監督も良く分かっているだろう。だから、全体に説明しすぎというのも良く分かるし、そうせざるを得なかった事情も分かる。(キングコングなどを観るとこれが持ち味という気もする)
改めて冷静に振り返ると、原作にも無駄が多いのは事実。ただ、これが事実上の近代ハイファンタジー小説の始祖だったので、「いいも悪いもない。これが最初」というわけである。
とにもかくにももっと駄作だった可能性の方がずっと高かったはずで、俺にとっては満足のいく作品だった。また、別角度から色々感想を書きたいもんだ。
Kiura 2008/05/07(Wed)20:50:05 編集
最近になって
やたらと仕事が増えてきた。観たい映画は多いし、読みたい本も山積みだ。う〜ん、時間が足りない。
IE5 2008/05/09(Fri)21:09:42 編集
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