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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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主演と監督の素敵な関係

北野武作品でビートたけし本人が映画に出演していないのは記憶が正しければ「あの夏、いちばん静かな海。」「キッズ・リターン」「DOLLS」の三本しかないハズ・・・である。そう北野武は殆ど自分が主役(役者の時はビートたけし名義)で出ているのである、監督・俳優を両方演じて成功している人物は世界を見渡せば、イーストウッドやスタローンがいるが日本ではビートたけしと竹中直人ぐらいだろう。個人的には演出と演技を両方こなす事は作品にとって客観的に見ることが難しいと思われるのでリスキーな部分が多いと思うのだが、やっている本人達は口を揃えて「これでダメなら納得できるから」と言っている・・・そんなものなのか?但し、そんな作品にも名作が多いことは揺るがない事実である。

映画とボクシングも切っても切れない関係である、「ロッキー」「レイジング・ブル」「ミリオンダラー・ベイビー」「どついたるねん」などなど数えたらキリがない。ボクシングは不良とも結びやすく、物語を盛り上げるには格好の題材である。たけしもボクシングを一時期習っていたらしいが、この作品で描かれているボクシングはとても丁寧でリアリティがある。面白いのは殆どが練習風景という所である、しかもジムには新人の芽を摘もうとする嫌な先輩もいたりしてスポ魂とはかけ離れた世界が描かれているのが斬新だった。男性監督なら誰もが一度だけ撮りたいと思うボクシング映画、たけしの想いが充分に伝わる作品だ。

<GOOD POINT>
1.シンジ(安藤政信)とマサル(金子賢)がとても良い味を出している。北野映画は基本的に一般的な脚本は無いらしく、数行のト書きを俳優達が自分で読み取り芝居に入るらしいのだが、二人とも新人らしからぬ存在感を見せてくれる。面白いのはボクシングを通して二人の運命は逆転してしまう所だが、とても構成がうまく作られていた。特に自分の能力とシンジの天才的なボクシングセンスを天秤にかけ、あっというまにヤクザに転身したマサルの諦めの早さ(ある意味で潔さは)はとても人間味に溢れていた。ラストの「まだ始まってねえよ」というセリフが身に染みる。

2.自転車をシンジとマサルでアクロバット的に漕ぐシーンのカメラワークが面白い。どうやって撮ったのか分からないが、なんとも言えない浮遊感があり二人の心情を上手く表現しているなと感じた。この他にもランニングシーンのカメラワークにも「おっ!」と思わせる所もあり、なかなか凝った画作りをしている。

<BAD POINT>
1.同じシーンを繰り返して少しずつ人物の心の変化を重ねていくというやり方は確かに効果的ではあるのだが、見ていて単調と感じる時間が出てしまう。今回で言えば喫茶店あたりなんだが、ある意味でダイナミックな映像とは真逆の世界・・・もうこれは北野映画の宿命なので、それはそれで尊重するべきなのだが。あくまで個人的な好き、嫌いなのかもしれない。
(IE5)

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