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乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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画像ファイル "http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/9869aebdd0d7afb9e0b59b286d3beb70/1209651563" は壊れているため、表示できませんでした。   55点

北野武が描いた究極のモンタージュ映画

世界のキタノと呼ばれて久しいが最新作「監督、ばんざい」はあまりの評判の悪さに未だに観ていない・・・なんか最近はヨーロッパだけが騒いでいるだけの様な気もして食傷気味。というわけでまだまだ観てない初期の作品も多いので辿ってみた。

武が「HANA-BI」で世界に評価された「キタノ・ブルー」と呼ばれる青がこの映画には沢山詰まっている、こっちの方が海のシーンが多いからかどちらかと言うと綺麗に見える。日本人の感性とフランス人の感性は似ている所が多いと良く言われるらしいが、確かにこの言葉に言い表し難い美しさが分かって評価しているのであれば納得の言葉である。

主人公の茂(真木蔵人)とヒロインの貴子(大島弘子)は聴覚障害者同士という設定で一切セリフがない、関係者は普通に喋るのだが殆ど音楽も無い。ただ自然発生する音だけが響き渡るのである、更に言葉でコミュニケーションが取れない為に目線や仕草や雰囲気で物語を進めるので必然的にモンタージュ映画になってしまっている。モンタージュとは映画用語で今言った仕草や動作を重ねる事によってその奥に潜ませた作者のメッセージを読み取らせる事である。武は狙っているのか分からないが究極のモンタージュ映画に挑戦しているのである。


<GOOD POINT>
1.真木蔵人は最後は海を見ている背中だけで言葉が語れるようになってしまった。その昔、男はみな高倉健の泣きそうな背中に憧れたもんだが、この映画に描かれる背中は時には笑い、ふて腐れ、途方に暮れている・・・見事だ。

2.本当に最後まで喋らずにストーリーを完結させた事については拍手を送りたい。一見、撮影は単純に思えるのだが、いやいやどうして・・・なかなか二時間近くを引っ張るのは難しい事と思う。そういう意味では武は映画というものの本質は分かっている人なんだと感じた。

<BAD POINT>
1.おそらく映画マニアかたけしマニアか真木蔵人ファンで無い限り、途中で退屈と感じる人が大多数だろう。それほどまでにタイトル通り静かな海なのである。ある意味で武は自分がやりたい事を出し過ぎている、これを撮影している時は観客の事は頭に殆ど無かっただろう。色々な事情も絡んでいただろうが芸術性とマスターベーションは紙一重という事は言える、個人的には映画館に金を払って観に来てくれるお客の事は常に頭のどこかに入れておきたい。
(IE5)

あの夏、いちばん静かな海。(1991) - goo 映画
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