乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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92点
全ての要素が高レベルでぶつかる濃密な映画
監督・脚本を務めたポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」や「父親たちの星条旗」の脚本家でもあり現ハリウッドで相当に力のあるイーストウッドの後押しもあって今作の映画化にこぎつる事に成功したらしい。鑑賞した上で想像すると、おそらく脚本を読んだ時点では相当地味な印象なのかもしれない、しかしこれを映画化できたことはハリウッドにとっても良い誤算だったに違いない。現在のハリウッドは日本と同じくオリジナル企画の数が無く、リメイクやアメコミや漫画などの原作ものに頼らざるを得ない状況が続いているが、やはり力のある者が作った作品はレベルの違いが一目瞭然である。
しかしながら人間ドラマを重視する映画というのは、それほどヒットが難しいのだろうか?「花より団子 ファイナル」が早くも「インディジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を抜くみたいな事を言っていたが、どう考えても観客の低年齢化が進んでいると思われる。「告発のとき」のような映画がアンテナに引っかからないであろう今の十代の若者達が将来的にもアンテナが伸びないまま映画を離れていく様な気がして堪らないのだが・・・これって映画ファンにとっては結構危険と思うのだがファン以外の人にはどうでもいい事なんだろうなとも思う。
<GOOD POINT>
1.脚本、演出、役者、画、どれをとってもレベルが高い。特に脚本は素晴らしく、今のアメリカ社会に潜む闇のテーマを上手く料理している。しかもそれを押しつけがましくさせない工夫として、三人の息子全員が出征している退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)と妻(スーザン・サランドン)一家が抱える問題や地元警察として働く一児の母・サンダース刑事(シャーリーズ・セロン)が抱える仕事と家庭の葛藤などが絶妙なバランスで盛り込まれている。ポール・ハギスは「007 カジノロワイヤル」も脚本しているのでアクションも描けるのだが、この映画では控えめに上手くそれを利用しているのもミソ、実にすばらしい。
2.まぁ今更ながらトミー・リー・ジョーンズの演技を褒めるまでもないが、今回も実に素晴らしい。「ノー・カントリー」も良かったが出演シーンはそれほど無かったのでむしろこの作品の方がファンとしては楽しめるだろう。しかしシャーリーズ・セロンもあれだけ美人で演技が上手いとなる所にハリウッドのレベルの高さがあると思う。あっちはただ顔が良いだけじゃ全く通用しないんだろなぁ。あとバーでトップレスになるマダムも素晴らしい、あの年齢(おそらく60前後)でトップレスになること意味が映画の中であることを知っているのである。あの垂れかけた乳とジーパンからはみ出た脇腹、そしてシワシワの手・・・向こうの役者って絶対に役になりきっていると思う、じゃないとこんな演技できないハズだ。更にこの後の喫茶店では服を着たマダムとハンクが再会するシーンがあってちゃんと芝居所をあたえている所が好感がもてた。
3.イラクの状況をつたえる携帯カメラの映像、これってどうやって撮ってるんだろうか?本当に携帯で撮った映像を処理しているのかとも考えたが・・・それは結構リスキーだろうとも思えるし。35mmのフィルムで撮るには難しいだろうし、ビデオカメラにしても荒れすぎているし・・・。とにかく良く出来ているのである。ダウンロードでちょっとづつ見せていくアイデアは良くもあり悪くもあるのだが。
<BAD POINT>
1.そのダウンロードのアイデア自体は良い発想と思うのだが、どうしてもそれに頼ることで物語の謎を解決する事になってしまっているシーンが幾つかあったことにご都合的な要素を少なからず感じてしまった。まぁ使って効果があるのは、1回だけなんだろうな・・・。
(IE5)
告発のとき - goo 映画
予告編も重厚です。
全ての要素が高レベルでぶつかる濃密な映画
監督・脚本を務めたポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」や「父親たちの星条旗」の脚本家でもあり現ハリウッドで相当に力のあるイーストウッドの後押しもあって今作の映画化にこぎつる事に成功したらしい。鑑賞した上で想像すると、おそらく脚本を読んだ時点では相当地味な印象なのかもしれない、しかしこれを映画化できたことはハリウッドにとっても良い誤算だったに違いない。現在のハリウッドは日本と同じくオリジナル企画の数が無く、リメイクやアメコミや漫画などの原作ものに頼らざるを得ない状況が続いているが、やはり力のある者が作った作品はレベルの違いが一目瞭然である。
しかしながら人間ドラマを重視する映画というのは、それほどヒットが難しいのだろうか?「花より団子 ファイナル」が早くも「インディジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を抜くみたいな事を言っていたが、どう考えても観客の低年齢化が進んでいると思われる。「告発のとき」のような映画がアンテナに引っかからないであろう今の十代の若者達が将来的にもアンテナが伸びないまま映画を離れていく様な気がして堪らないのだが・・・これって映画ファンにとっては結構危険と思うのだがファン以外の人にはどうでもいい事なんだろうなとも思う。
<GOOD POINT>
1.脚本、演出、役者、画、どれをとってもレベルが高い。特に脚本は素晴らしく、今のアメリカ社会に潜む闇のテーマを上手く料理している。しかもそれを押しつけがましくさせない工夫として、三人の息子全員が出征している退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)と妻(スーザン・サランドン)一家が抱える問題や地元警察として働く一児の母・サンダース刑事(シャーリーズ・セロン)が抱える仕事と家庭の葛藤などが絶妙なバランスで盛り込まれている。ポール・ハギスは「007 カジノロワイヤル」も脚本しているのでアクションも描けるのだが、この映画では控えめに上手くそれを利用しているのもミソ、実にすばらしい。
2.まぁ今更ながらトミー・リー・ジョーンズの演技を褒めるまでもないが、今回も実に素晴らしい。「ノー・カントリー」も良かったが出演シーンはそれほど無かったのでむしろこの作品の方がファンとしては楽しめるだろう。しかしシャーリーズ・セロンもあれだけ美人で演技が上手いとなる所にハリウッドのレベルの高さがあると思う。あっちはただ顔が良いだけじゃ全く通用しないんだろなぁ。あとバーでトップレスになるマダムも素晴らしい、あの年齢(おそらく60前後)でトップレスになること意味が映画の中であることを知っているのである。あの垂れかけた乳とジーパンからはみ出た脇腹、そしてシワシワの手・・・向こうの役者って絶対に役になりきっていると思う、じゃないとこんな演技できないハズだ。更にこの後の喫茶店では服を着たマダムとハンクが再会するシーンがあってちゃんと芝居所をあたえている所が好感がもてた。
3.イラクの状況をつたえる携帯カメラの映像、これってどうやって撮ってるんだろうか?本当に携帯で撮った映像を処理しているのかとも考えたが・・・それは結構リスキーだろうとも思えるし。35mmのフィルムで撮るには難しいだろうし、ビデオカメラにしても荒れすぎているし・・・。とにかく良く出来ているのである。ダウンロードでちょっとづつ見せていくアイデアは良くもあり悪くもあるのだが。
<BAD POINT>
1.そのダウンロードのアイデア自体は良い発想と思うのだが、どうしてもそれに頼ることで物語の謎を解決する事になってしまっているシーンが幾つかあったことにご都合的な要素を少なからず感じてしまった。まぁ使って効果があるのは、1回だけなんだろうな・・・。
(IE5)
告発のとき - goo 映画
予告編も重厚です。
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