乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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88点
古き良きハリウッドスポーツ映画時代の晩年期
二夜連続で野球ものだが、これも名作野球映画。見出しにも書いたが俺が思う良きハリウッドスポーツ映画とは、そのスポーツを通して輝かしい人間ドラマが描けている映画だ。あくまで野球は人間ドラマを掻き立てる一つのスパイスであるかのように・・・されど野球の魅力はスクリーンから満ち溢れている、これこそが俺にとっては極上のスポーツ映画だ。しかしながらCGが導入されてある意味でなんでも描けてしまうようになってから、どんどんハリウッドスポーツ映画は面白くなくなった、画は迫力があるのだが逆に嘘っぽく見えてしまうのである。必死にスポーツしている姿から離れてマンガの世界になっていることに作り手は気付いているのだろうか?そういう意味でもこの作品は良きハリウッドスポーツ映画の晩年期の名作と言えるだろう。
先に書いた「がんばれ!ベアーズ」は野球に対するワクワク感が心地良かったが、「プリティ・リーグ」は第二次世界大戦という背景に作られた埋め合わせ女性リーグという珍しさとベアーズ以上の個性が集まったチームの活躍が最高に楽しくさせる。監督は(またしても!)アル中の元名選手ジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)、選手は男顔負けの体格とボールを投げる美人ピッチャー、ドティ・ヒンソン(ジーナ・デイビス)を初めお色気満載のメイ(マドンナ)、ブスというコンプレックスを抱えるパワフルバッターとか子連れとか、まぁよくもここまで考えたなぁというくらいにキャラクターを書き分けている点が素晴らしい。
日本は女子のスポーツは盛んだが殆どこういった類の映画は作られていない。ソフトボールは世界レベルだし、サッカーも良い線を行っている。少し過去をたどればもっとドラマチックな題材だって転がっているはずだ。意外な盲点になっているのではないか?
<GOOD POINT>
1.彼女たちのプレーが当時の新聞に掲載されるシーンの作り方は本当に素晴らしいし勉強になる。史実に基づいた作品だが、写真に撮られた彼女たちは本当に第二次世界大戦の中で野球をやっていた女性の顔をしているのである。演出もさることながら、写真の構成もコリにこっていて感動的だ。
2.時代的なモノが大きいが、プリティ・リーグで活躍する女性はとても女性らしい。「ああ、アメリカも昔はおしとやかな女性が多かったんだ」と歴史風俗の勉強になった。別に今が悪いとは思ってないけれど、少なくともこの時代は今よりもみんなが助け合い一つになる事を当然と思って生きている。今の時代に無くなってしまった精神をスクリーンで蘇らせているのは「レナードの朝」のペニー・マーシャルが魅せる確かな演出だ。
3.あくまで個人的な好みだがジミー監督が噛みタバコの唾液を「チッ!」と吐き出す仕草が汚らしいんだけど男らしさを感じさせる。後半でドティも並んで噛みタバコを始めるが、女なのに男同士の友情を観ているようだった。現在のアメリカはかなり禁煙国家になっているために、なかなか劇中でもタバコのシーンは出てこない(日本もその傾向が強い)。しかしながらタバコは映画の小道具としてはこれ以上使い勝手の良いものは無いくらいに万能なのだ。せめてスクリーンの中だけは良いんじゃないかって思ってしまう。
<BAD POINT>
1.野球のプレー自体はドティの剛速球以外に大した見せ場がなかったのはちょっと残念。ある意味で「がんばれ!ベアーズ」の方が勝っている気がする。もう一人くらい凄い選手を入れた方がリアリティはあったのだが・・・まぁ女性監督だからとは言いたくない。
(IE5)
プリティ・リーグ(1992) - goo 映画
古き良きハリウッドスポーツ映画時代の晩年期
二夜連続で野球ものだが、これも名作野球映画。見出しにも書いたが俺が思う良きハリウッドスポーツ映画とは、そのスポーツを通して輝かしい人間ドラマが描けている映画だ。あくまで野球は人間ドラマを掻き立てる一つのスパイスであるかのように・・・されど野球の魅力はスクリーンから満ち溢れている、これこそが俺にとっては極上のスポーツ映画だ。しかしながらCGが導入されてある意味でなんでも描けてしまうようになってから、どんどんハリウッドスポーツ映画は面白くなくなった、画は迫力があるのだが逆に嘘っぽく見えてしまうのである。必死にスポーツしている姿から離れてマンガの世界になっていることに作り手は気付いているのだろうか?そういう意味でもこの作品は良きハリウッドスポーツ映画の晩年期の名作と言えるだろう。
先に書いた「がんばれ!ベアーズ」は野球に対するワクワク感が心地良かったが、「プリティ・リーグ」は第二次世界大戦という背景に作られた埋め合わせ女性リーグという珍しさとベアーズ以上の個性が集まったチームの活躍が最高に楽しくさせる。監督は(またしても!)アル中の元名選手ジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)、選手は男顔負けの体格とボールを投げる美人ピッチャー、ドティ・ヒンソン(ジーナ・デイビス)を初めお色気満載のメイ(マドンナ)、ブスというコンプレックスを抱えるパワフルバッターとか子連れとか、まぁよくもここまで考えたなぁというくらいにキャラクターを書き分けている点が素晴らしい。
日本は女子のスポーツは盛んだが殆どこういった類の映画は作られていない。ソフトボールは世界レベルだし、サッカーも良い線を行っている。少し過去をたどればもっとドラマチックな題材だって転がっているはずだ。意外な盲点になっているのではないか?
<GOOD POINT>
1.彼女たちのプレーが当時の新聞に掲載されるシーンの作り方は本当に素晴らしいし勉強になる。史実に基づいた作品だが、写真に撮られた彼女たちは本当に第二次世界大戦の中で野球をやっていた女性の顔をしているのである。演出もさることながら、写真の構成もコリにこっていて感動的だ。
2.時代的なモノが大きいが、プリティ・リーグで活躍する女性はとても女性らしい。「ああ、アメリカも昔はおしとやかな女性が多かったんだ」と歴史風俗の勉強になった。別に今が悪いとは思ってないけれど、少なくともこの時代は今よりもみんなが助け合い一つになる事を当然と思って生きている。今の時代に無くなってしまった精神をスクリーンで蘇らせているのは「レナードの朝」のペニー・マーシャルが魅せる確かな演出だ。
3.あくまで個人的な好みだがジミー監督が噛みタバコの唾液を「チッ!」と吐き出す仕草が汚らしいんだけど男らしさを感じさせる。後半でドティも並んで噛みタバコを始めるが、女なのに男同士の友情を観ているようだった。現在のアメリカはかなり禁煙国家になっているために、なかなか劇中でもタバコのシーンは出てこない(日本もその傾向が強い)。しかしながらタバコは映画の小道具としてはこれ以上使い勝手の良いものは無いくらいに万能なのだ。せめてスクリーンの中だけは良いんじゃないかって思ってしまう。
<BAD POINT>
1.野球のプレー自体はドティの剛速球以外に大した見せ場がなかったのはちょっと残念。ある意味で「がんばれ!ベアーズ」の方が勝っている気がする。もう一人くらい凄い選手を入れた方がリアリティはあったのだが・・・まぁ女性監督だからとは言いたくない。
(IE5)
プリティ・リーグ(1992) - goo 映画
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