乙事組(IE5/Kiura/Pine/MBU/Shinの5人)の共同メディア批評ブログ。ネタバレあり注意!
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80点
松竹映画シリーズを担う作品として上々な船出
松竹は「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の映画シリーズ路線を引き継ぐべく次の題材として選んだのがこの作品。かつて「虹をつかむ男」もシリーズ化をしようとしたハズだが記憶が曖昧・・・とりあえず2作品で終わっている、松竹としては「釣りバカ」の主役級が年齢的にも高くなってきたために早く次の原石を探していたことだろう。それだけにこのグルメ漫画「築地魚河岸三代目」を選んだ裏には相当な決断があったと思われる。
そういった裏の事はさておいて、映画の方はスタッフと製作者の作品にかける意気込みが伝わる非常に丁寧な作りになっている。松竹伝統の人情ドラマを起点としているのだが、そのままやっていたのではこれからのシリーズ化に期待する若い新たな観客を期待できない。そこでキャストを思いきって若手中心(荒川良々、江口のりこ、これが絶妙なバランス)にもってきたことが成功している一つの要因だろう。同じ脚本でも平均年齢があと5歳くらい上だったら全く違った印象になっていたに違いない。
「男はつらいよ」の渥美清も「釣りバカ日誌」の西田敏行も相当な実力の俳優だ、そういう意味では主役の大手サラリーマン・旬太郎役を務める大沢たかおは結構プレッシャーがあるのではないだろうか?まぁユニークなキャラでは大先輩に勝つことはほぼ不可能であるので、違った魅力を探っていく必要はあるだろう。個人的には「無鉄砲な誠実アンちゃん」というキャラにその可能性があるとおもうのだが。
<GOOD POINT>
1.サラリーマンの旬太郎が恋人・明日香(田中麗奈)の家業が築地の魚河岸である事を知ったことから、最終的に三代目としての修行のスタートラインに立つまでを1作目では描いている。つまり、魚河岸としてのシーンは殆ど脇が固めており、第1作目に関しては自分の将来に疑問を持つ主人公の心の葛藤と築地で働くクセのある人物を上手く紹介しつつドラマの基盤を作っている印象がある。これは「男はつらいよ」の第1作目とほぼ同じ見せ方だと思う、たしかさくらとひろしが結婚するしないでもめながら寅さんや周辺の主要人物上手く紹介していた。これだけしっかりと描いていれば、二作目以降の物語も色々と拡げることができるというものだ。
2.「男はつらいよ」ではマドンナとの恋愛がお約束だが、この作品ではおそらく恋愛よりもケンカがお約束になるのではないだろうか?まぁ血みどろのケンカはありえないので、殆ど口ゲンカか一発殴るかぐらいのもんだろうが・・・しかし、最近ではこういったオーソドックスな争いも殆ど見ることがないが見ていてすがすがしい。陰険でイジメ的な争いが多いので逆に新鮮に映るのである、これも松竹映画だからこそ成立するんだろう。やっぱりお家芸というのは馬鹿にできない。
<BAD POINT>
1.間口を広くしようとして分かりやすく丁寧にという事は評価できるのだが。何もテレビ的にしなくてもと思うような手法が時々見られた。特に近距離なのに画面を二分割にするというのはやめて欲しい。テレビでは無く最後まで映画というものを感じさせて欲しいのである。
ちなみに次作は来年に公開決定だそうです。
(IE5)
築地魚河岸三代目 - goo 映画
予告だけでは良さが伝わらないかもしれないが。
松竹映画シリーズを担う作品として上々な船出
松竹は「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の映画シリーズ路線を引き継ぐべく次の題材として選んだのがこの作品。かつて「虹をつかむ男」もシリーズ化をしようとしたハズだが記憶が曖昧・・・とりあえず2作品で終わっている、松竹としては「釣りバカ」の主役級が年齢的にも高くなってきたために早く次の原石を探していたことだろう。それだけにこのグルメ漫画「築地魚河岸三代目」を選んだ裏には相当な決断があったと思われる。
そういった裏の事はさておいて、映画の方はスタッフと製作者の作品にかける意気込みが伝わる非常に丁寧な作りになっている。松竹伝統の人情ドラマを起点としているのだが、そのままやっていたのではこれからのシリーズ化に期待する若い新たな観客を期待できない。そこでキャストを思いきって若手中心(荒川良々、江口のりこ、これが絶妙なバランス)にもってきたことが成功している一つの要因だろう。同じ脚本でも平均年齢があと5歳くらい上だったら全く違った印象になっていたに違いない。
「男はつらいよ」の渥美清も「釣りバカ日誌」の西田敏行も相当な実力の俳優だ、そういう意味では主役の大手サラリーマン・旬太郎役を務める大沢たかおは結構プレッシャーがあるのではないだろうか?まぁユニークなキャラでは大先輩に勝つことはほぼ不可能であるので、違った魅力を探っていく必要はあるだろう。個人的には「無鉄砲な誠実アンちゃん」というキャラにその可能性があるとおもうのだが。
<GOOD POINT>
1.サラリーマンの旬太郎が恋人・明日香(田中麗奈)の家業が築地の魚河岸である事を知ったことから、最終的に三代目としての修行のスタートラインに立つまでを1作目では描いている。つまり、魚河岸としてのシーンは殆ど脇が固めており、第1作目に関しては自分の将来に疑問を持つ主人公の心の葛藤と築地で働くクセのある人物を上手く紹介しつつドラマの基盤を作っている印象がある。これは「男はつらいよ」の第1作目とほぼ同じ見せ方だと思う、たしかさくらとひろしが結婚するしないでもめながら寅さんや周辺の主要人物上手く紹介していた。これだけしっかりと描いていれば、二作目以降の物語も色々と拡げることができるというものだ。
2.「男はつらいよ」ではマドンナとの恋愛がお約束だが、この作品ではおそらく恋愛よりもケンカがお約束になるのではないだろうか?まぁ血みどろのケンカはありえないので、殆ど口ゲンカか一発殴るかぐらいのもんだろうが・・・しかし、最近ではこういったオーソドックスな争いも殆ど見ることがないが見ていてすがすがしい。陰険でイジメ的な争いが多いので逆に新鮮に映るのである、これも松竹映画だからこそ成立するんだろう。やっぱりお家芸というのは馬鹿にできない。
<BAD POINT>
1.間口を広くしようとして分かりやすく丁寧にという事は評価できるのだが。何もテレビ的にしなくてもと思うような手法が時々見られた。特に近距離なのに画面を二分割にするというのはやめて欲しい。テレビでは無く最後まで映画というものを感じさせて欲しいのである。
ちなみに次作は来年に公開決定だそうです。
(IE5)
築地魚河岸三代目 - goo 映画
予告だけでは良さが伝わらないかもしれないが。
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