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嬉しさ半分、哀しさ半分
ネタバレ注意!
1957年という時代を背景に水晶の骸骨「クリスタルスカル」の謎を追うことになる考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)。ソ連のKGB要員イリーナ(ケイト・ブランシェット)達に追われつつ、物語はやがてクリスタルスカルの遺跡に向かうが……。19年ぶりに復活したインディシリーズ、果たしてその出来は? 今回はシリーズファンの俺とこの4が最初のインディという友人と二人で観た。
シリーズファンの場合
俺が「映画が面白い」と最初に感じた作品はインディジョーンズ魔宮の伝説(2作目)だった気がする。映画に目覚めつつあった小学生の俺はこの映画に決定的なインパクトを受けた。とにかく、全編ダレるところが全くない。「これだ、これが娯楽映画だ!」と感じた鮮明な記憶が残っている。俺にとってはそれ程のシリーズの最新作である。冒頭のノーテンキな音楽から、秘密の倉庫への流れは本当にワクワクした。その後の脱出シーンまでは、激しいアクション&時々笑えるという内容に「まだまだ盛り上がるぞ」と、期待は高まったのだ。
流れが悪い
ところが、微妙に違うのである。個々のアクションシーンはそこそこ良く出来ているのだが、タイミングが悪いというか、その間のドラマパートと上手くつながらないのである。また、アクションシーンも古代の謎を追及するシーンも両方とも全く新鮮味がない。シリーズ4作目で何を言うかと思うかもしれないが、インディシリーズは驚きと興奮が売りだったはず。それがすっかり、予定調和のアクションになってしまっていた。そうなると老いたハリソンのトホホギャグも何だか弛緩して見える訳で、鑑賞後「まあ、こんなもの」というおよそインディには似つかわしくない哀しい気分になってしまった。
シリーズ初見の場合
友人Sはこの映画が最初のインディというツワモノだ。鑑賞後の一言は「物語が良く分からなかったんですが」「これまでのシリーズに無いものは無かったんじゃないですか」「緊張感が全く無いですね」という否定的なものだった。残念だが、それは本当だ。字幕の悪さで人物の関係や流れが悪く、アクションは同じパターンの繰り返し、同窓会的な緩い雰囲気……シリーズ思い入れが無ければ、そう見えるかも知れない。ただ、最初の爆発から脱出までの部分は面白かったということだ。確かに、そのシーンは俺もいいと思うが、最初が最も盛り上がるというのはどうなのか。
もうこの落ちは禁止だ! 物語の結末を書いてます。注意!
この作品の結末は、たぶん最初のシークエンスが終わった時点で誰もが予想がつくだろう。俺も「何かもう一ひねりあるだろう」と期待していたのだが、結局はベタベタの宇宙人ネタだった。よく分からないのだが、アメリカ人はこの落ちに納得できるのか? 日本人なら失笑必至のいつものデザインに脱力した。核爆弾ネタも娯楽作品でよく見るが、面白いとは思いつつ、日本人としてはやはり無神経に感じるわけで、これもスッキリしない。結局、許容できる範囲ではあるが、そこそこの出来としか思えない。最新作が観れたのは素直に嬉しいが「嬉しさも中くらいなりインディ4」、実に微妙で複雑な気持ちで映画館を後にした。
評価点:65点
仕方ないとはいえ、カレン・アレンは老けたなぁ。息子も狙いすぎのキャラ設定ではないか。ケイト・ブランシェットは個人的には好きだが、敵役としてはイマイチ怖くない。超能力の設定も生きてない。ファンは観てもいいと思うが、それ以外の人には強く薦められない。